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2014/9/30

ベバシズマブ+タキサンによる導入療法とベバシズマブ+カペシタビンによる維持療法で進行HER2陰性乳癌のPFSとOSが改善【ESMO2014】

森下紀代美=医学ライター

 局所再発または転移を有するHER2陰性乳癌に対し、導入療法としてベバシズマブとタキサンによる治療を行い、その後に維持療法としてベバシズマブとカペシタビンの併用療法を行うと、無増悪生存期間(PFS)と全生存期間(OS)が有意に改善することがフェーズ3のIMELDA試験から明らかになった。9月26日から30日までスペイン・マドリードで開催されている欧州臨床腫瘍学会(ESMO2014)で、フランスSorbonne UniversiteのJ. Gligorov氏が発表した。

 転移を有するHER2陰性乳癌では、ベバシズマブとドセタキセルの併用療法(BEV-DOC療法)を検討したAVADO試験(D.W. Miles, et al. JCO2010;28(20):3239-47)などから、ベバシズマブとファーストラインの化学療法の併用でPFSが有意に延長することが報告されている。

 Gligorov氏らは、VEGFの阻害を続けながら、異なる作用機序で忍容性が良好な化学療法に切り替えることにより、有効性が高まるとの仮説を立てた。過去に承認されたBEV-DOC療法を用いて、非盲検、フェーズ3のIMELDA試験においてこの仮説を前向きに検証した。

 対象は、局所再発または転移を有するHER2陰性乳癌で、化学療法未治療の患者とした。導入療法としてのBEV-DOC療法は3週を1サイクルとし、ベバシズマブ15mg/kg、ドセタキセル75-100mg/m2を1日目に投与し、3-6サイクル施行した。安定状態(SD)以上の効果が得られた患者を、維持療法としてベバシズマブ単剤を投与する群(3週を1サイクルとし、15mg/kgを1日目に投与)、またはBEV-CAP療法を行う群(3週を1サイクルとし、ベバシズマブ15mg/kgを1日目、カペシタビン1000mg/m2を1日2回、1-14日目に投与)のいずれかランダムに割り付け、進行、受容不能な毒性の発現、同意の撤回のいずれかまで治療を継続した。

 主要評価項目はランダム化からのPFS、副次的評価項目はOS、臨床的有効率、無増悪期間(TTP)、QOL、安全性だった。探索的評価項目として、導入療法開始時からのPFS、導入療法開始時からのOSを設定した。層別化因子は、エストロゲン受容体(ER)の状態、内臓転移、奏効の状態、LDH値とした。

 同試験は、導入療法に360人を登録し、維持療法に290人をランダム化するデザインだった。患者登録は2009年7月に開始されたが、BEV-DOC療法の承認撤回を受け、2011年3月、287人が登録された時点で登録終了となった。ランダム化に進んだのは185人だった。プロトコールは、最終のランダム化から2年後まで追跡するよう改定された。

 ベバシズマブ群94人、BEV-CAP療法群91人となり、導入療法登録時の年齢中央値はそれぞれ54歳と49歳、ECOG PS 0の患者は61%と48%、トリプルネガティブ乳癌は22%と27%、内臓転移は69%と68%、3個以上の臓器の転移は57%と47%だった。導入療法による奏効は、ベバシズマブ群72%、BEV-CAP療法群75%、SDはそれぞれ23%と22%だった。

 治療サイクル数中央値は、導入療法では6、維持療法ではベバシズマブ群6、BEV-CAP療法群12、治療期間中央値はそれぞれ3.5カ月と8.3カ月だった。追跡期間中央値はそれぞれ30.4カ月と31.6カ月となった。

 主要評価項目であるランダム化からのPFS中央値は、ベバシズマブ群4.3カ月、BEV-CAP療法群11.9カ月、ハザード比0.38(95%信頼区間:0.27-0.55)となり、BEV-CAP療法群で有意に改善した(p<0.0001)。

 探索的評価項目である導入療法開始時からのPFS中央値は、ベバシズマブ群8.6カ月、BEV-CAP療法群16.4カ月、ハザード比0.38(95%信頼区間:0.27-0.55)となった。

 ランダム化からのOS中央値もBEV-CAP療法群で有意に延長し、ベバシズマブ群23.7カ月、BEV-CAP療法群39.0カ月、ハザード比0.43(95%信頼区間:0.26-0.69)となった(p=0.0003)。1年全生存率はそれぞれ72%と90%、2年全生存率は49%と69%だった。

 グレード3、4、5の有害事象は、ベバシズマブ群ではそれぞれ24%、2%、1%(腎不全)、BEV-CAP療法群ではそれぞれ45%、3%、1%(高血圧[急性冠症候群による死亡])に発現した。重篤な有害事象はそれぞれ8%と11%で認めた。グレード3以上の手足症候群はカペシタビンにより33%に発現し、10%が治療中止となった。予測されない安全性のシグナルはなく、ベバシズマブを含む治療を長期に行っても忍容性は良好だった。

 Gligorov氏らは、現在、同試験で治療した後の抗癌剤治療、患者報告アウトカムのデータ収集と評価を進めている。

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