転移を有するHER2陽性乳癌患者で、ファーストライン治療としてペルツズマブ+トラスツズマブ+ドセタキセル併用療法を行う群(ペルツズマブ群)とプラセボ+トラスツズマブ+ドセタキセル群(対照群)を比較したフェーズ3試験であるCLEOPATRA試験の全生存期間(OS)に関する最終解析結果が明らかとなった。ペルツズマブの投与によりOS中央値は、約16カ月延長した。ペルツズマブ+トラスツズマブ+ドセタキセル併用療法が、転移を有するHER2陽性乳癌のファーストラインの標準療法であることを示す結果となった。
9月26日から30日までスペインマドリードで開催されている欧州臨床腫瘍学会(ESMO2014)で、米Medstar Washington Hospital CenterのS.Swain氏によって発表された。
CLEOPATRA試験には808人(ペルツズマブ群402人、対照群406人)の転移を有するHER陽性乳癌患者が参加し、OSの最終解析は385人の死亡が起きた時点で行われるよう計画されていた。
観察期間中央値50カ月で、最終解析OSはペルツズマブ群で統計学的に有意に改善していた。ハザード比0.68(95%信頼区間:0.56-0.84)、p=0.0002だった。ペルツズマブ群のOS中央値は56.5カ月、対照群は40.8カ月で、15.7カ月の差があった。前もって規定しておいたサブグループでのOSの解析結果は過去に認められたものと一致しており、全般的にペルツズマブ群が優位だった。
無増悪生存期間のアップデートした結果も発表された。中央値はペルツズマブ群が18.7カ月、対照群が12.4カ月で6.3カ月の差があった。ハザード比は0.68(95%信頼区間:0.58-0.80)、p<0.0001で有意にペルツズマブ群で長かった。
安全性プロファイルは過去に報告されていたペルツズマブの安全性プロファイルと一致し、長期間の循環器の安全性プロファイルは維持されていた。