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2014/9/30

脳転移を有する未治療のALK陽性非扁平上皮NSCLC患者でクリゾチニブは脳内増悪を抑制する傾向【ESMO2014】

八倉巻尚子=医学ライター

 進行ALK陽性非扁平上皮非小細胞肺癌(NSCLC)のファーストライン治療として、ALK阻害剤クリゾチニブは、標準的な化学療法に比べ、脳転移を有する患者では脳内の増悪を抑制する傾向があり、脳内の病勢制御率(DCR)は有意に改善することが、フェーズ3試験PROFILE 1014の解析で明らかになった。オーストラリアPeter MacCallum Cancer CentreのB. Solomon氏らが、9月26日から30日までスペイン・マドリードで開催されている欧州臨床腫瘍学会(ESMO2014)で発表した。

 試験は、未治療のALK陽性進行非扁平上皮NSCLC患者343人を、クリゾチニブ250mgを3週間を1サイクルとして1日2回投与する群(172人)と標準的な化学療法を行う群(171人)に分けた。化学療法群は、3週おきにペメトレキセド500mg/m2、シスプラチン75mg/m2もしくはカルボプラチンAUC5-6を最長6サイクルまで投与した。両群とも増悪後は、継続またはクロスオーバーが認められていた。

 主要評価項目は独立評価委員会による無増悪生存期間(PFS)、副次評価項目は奏効率、全生存期間、脳内の無増悪期間(TTP:ランダム化から脳内の初回増悪までの期間)、患者報告アウトカム、安全性とした。

 試験の結果、PFSはクリゾチニブ群が有意に優れており、中央値はクリゾチニブ群が10.9カ月、化学療法群が7.0カ月、ハザード比0.45、95%信頼区間:0.35-0.60、p<0.0001だった。クリゾチニブによる有効性はサブグループ解析でも確認され、脳転移を有する患者でもクリゾチニブ群は優れていた(ハザード比0.57、95%信頼区間:0.35-0.93)。

 今回は脳内での効果に焦点を当てた解析結果が報告された。

 全患者において、両群とも脳内イベントは15%の患者で発生し、脳内TTPのハザード比は0.60、95%信頼区間:0.34-1.05、p=0.069だった。

 ベースライン時に、安定した脳転移を有した患者(コルチコステロイドによる治療を要さない状態が2週間以上)は、クリゾチニブ群39人(23%)、化学療法群40人(23%)だった。これらの患者において、脳内イベント発生率はクリゾチニブ群23%、化学療法群30%で、TTP中央値はそれぞれ15.7カ月、12.5カ月、ハザード比は0.45、95%信頼区間:0.19 -1.07、p=0.063であった。

 一方、ベースライン時に脳転移がなかった患者では脳内イベントは12%、11%に発生し、TTP中央値は未到達、ハザード比は0.69(95%信頼区間:0.33-1.45)、p=0.323だった。

 ベースライン時に脳転移を有した患者において、脳内のDCRは、12週時点ではクリゾチニブ群は80%を超え、化学療法群との差が40%(95%信頼区間:21-59、p=0.0003)、24週時点ではDCRの2群間の差が31%(95%信頼区間:11-52、p=0.006)だった。

 ALK陽性非扁平上皮NSCLC患者のファーストライン治療として、クリゾチニブ治療は化学療法に比べて有効性が高く、脳転移を有する患者では脳内TTPの改善傾向と脳内DCRの有意な改善が示されたことから、「クリゾチニブは脳転移を有する患者を含め、未治療の進行ALK陽性NSCLC患者の標準治療である」とした。

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