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2014/8/29

大腸癌肝転移に対するUFT+LV術後補助化学療法は3年無再発生存を有意に改善、予後延長効果は不明【癌治療学会2014】

八倉巻尚子=医学ライター

 UFT+LV療法は大腸癌肝転移に対する術後補助化学療法として、手術単独と比べて、無再発生存期間(RFS)を改善することが、多施設共同フェーズ3試験で確認された。ただし全生存期間(OS)は現時点で有意差がなかった。8月28日から30日まで横浜市で開催されている第52回日本癌治療学会学術集会で、東京山手メディカルセンター外科の伊地知正賢氏が発表した。

 根治的な肝切除が行われた大腸癌肝転移例を対象に、UFT+LV療法群と手術単独群にランダムに分けた。UFTは300mg/m2、LVは75mg/日を4週間投与1週間休薬し、5コース行った。割付因子は、施設、同時性・異時性、肝転移個数、原発巣部位、初回切除・二次切除とした。

 主要評価項目はRFS、副次評価項目はOS、安全性とした。登録は2004年1月1日から2010年12月31日まで、観察期間は3年後の2013年12月31日までとした。2010年12月までに10施設180例が登録された。不適格3例を除く177例を有効性の解析対象とした。フォローアップ期間中央値は4.76年だった。両群間の患者背景に大きな違いはなかった。

 この結果、3年RFS率はUFT+LV群は38.6%、手術単独群は32.3%で、有意にUFT+LV群で良好だった(ハザード比0.56、95%信頼区間:0.38-0.83、p=0.003)。

 3年生存率はUFT+LV群81.6%、手術単独群82.8%で、有意差はなかった(ハザード比0.80、95%信頼区間:0.48-1.35、p=0.41)。生存期間中央値は両群とも到達していなかった。

 UFT+LV療法の治療完遂割合(5コース)は54.9%、相対的用量強度は平均値70.8%、中央値90%だった。治療中止理由は、患者希望や担当医師の判断が半数以上で、有害事象による中止は18.9%、再発が21.6%であった。

 UFT+LV療法において、グレード3以上の有害事象は少なく、主なグレード3/4の有害事象は、下痢4.9%、ヘモグロビン減少3.7%、食欲不振2.4%、悪心2.4%だった。これらのことから、肝転移切除後でも安全に施行可能であるとした。

 UFT+LV療法による再発抑制効果が全生存期間に反映しなかったことについて、伊地知氏は、現時点では十分なイベントが発生していない、再発に対する治療が強力で再発抑制効果の差を薄めた可能性を指摘した。観察期間の延長および再発治療の効果の評価については、2年後の再調査で対応すると話した。なお両群の再発形式には大きな違いはなく、再発に対して手術を施行した患者は手術単独群で41%、UFT+LV群は55.9%で、有意な違いはなかった。

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