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2014/8/28

実臨床における大腸癌治療薬レゴラフェニブの安全性と有効性はCORRECT試験とほぼ同じ、市販後調査中間報告【癌治療学会2014】

八倉巻尚子=医学ライター

 大腸癌の治療薬として経口マルチキナーゼ阻害剤レゴラフェニブの安全性と有効性は、フェーズ3試験CORRECT試験の日本人サブグループの結果とほぼ同等であることが、市販後調査の中間報告で明らかになった。また調査から全生存期間(OS)と手足症候群の発現に関連性のあることが示唆された。8月28日から30日まで横浜市で開催されている第52回日本癌治療学会学術集会で、埼玉県立がんセンター消化器内科の山口研成氏が発表した。

 レゴラフェニブは「治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」を適応として、国内で2013年3月に承認された。市販後調査は発売された2013年5月から開始され、予定症例数は1250人。投与開始2カ月目と6カ月目の有害事象、および1年目の予後調査が行われた。なお、この調査は全例調査ではなく、協力施設のみを対象としている。

 2013年5月24日から2014年4月1日までに、270施設715人が登録した。今回の中間報告では、データが収集できた164施設395人を対象とした。

 395人のうち男性は226人(57.2%)、女性169人(42.8%)で、65歳未満が51.4%であった。原発巣部位は結腸が61.3%を占め、直腸が38.2%だった。原発巣に対する手術歴のある患者は79.2%。ECOG PS 0が39.8%、PS 1が49.9%、PS 2以上の患者が9.4%であった。2次治療の患者が0.5%、3次治療が32.7%、4次治療が37.5%、5次治療以降が29.4%だった。

 レゴラフェニブは160mgの3週投与1週休薬が標準であるが、投与開始から29日以降は160mg投与ができた患者は2-3割であり、120mgあるいは80mgに減量している患者が多かった。

 病勢増悪により投与を中止した患者が51%、有害事象による中止が44.1%だった。CORRECT試験日本人サブグループ解析ではそれぞれ67.9%、25%で、実臨床では有害事象中止が多かった。

 主な副作用は、手足症候群が58%に見られ、重篤な手足症候群は16.5%、肝機能障害は全体では48.1%、重篤例は14.2%だった。高血圧は26.3%、重篤な高血圧は2.0%、倦怠感・疲労は18.2%、重篤例は1.8%だった。このほか血小板数減少、発声障害、発熱、食欲減退が認められた。

 手足症候群は投与1週間後から認められ、4週間目までに半数以上が発現していた。肝機能障害や高血圧も1サイクル目から発現していた。これらの主な副作用は8週目に発現率がプラトーに達している傾向が見られた。

 手足症候群に対する予防処置は83%の患者で実施されており、このうち外用薬の使用が80%を占めたが、靴パットの工夫などの除圧が11.1%、手袋の使用が9.1%に行われていた。

 これらのことから、安全性については、実臨床の副作用プロファイルはCORRECT試験の日本人サブグループとほぼ同等だったとした。

 有効性については、治療成功期間(TTF)の中央値は65日だった(95%信頼区間:63-71)。CORRECT試験での無増悪生存期間(PFS)中央値は59日だった。OS中央値は191日で、CORRECT試験でのOS中央値は200日だった。

 また手足症候群が発現した時期を打ち切りとして、手足症候群が発現した患者を除いたOSは、全体のOSに比べて有意に不良であった(p=0.0110)。一方。高血圧が発現したときを打ち切りとした場合は全体のOSと有意な違いはなかった。

 さらにランドマーク解析で、投与から2週間前後で手足症候群が発現した患者と発現しなかった患者を比べると、発現した患者で有意にOSは優れていた(ハザード比0.577、p=0.0231)。このため手足症候群の発現と全生存期間の関連性が示唆されるとし、「レゴラフェニブを効かせるには、手足症候群の管理が大切だろう」と山口氏は話した。

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