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2014/7/14

Verastem社が悪性中皮腫を対象に開始したFAK阻害薬の国際共同試験に日本人も登録始まる

加藤勇治

 米国Verastem社は、同社が悪性中皮腫を対象に開発を進めている焦点接着キナーゼ阻害薬(FAK阻害薬)であるVS-6063(一般名defactinib)について、国際共同フェーズ2試験でアルCOMMAND試験に日本からも患者登録が始まったことを明らかにした。

 Verastem社から委託を受けて日本における治験マネジメントを行っている日本臨床研究オペレーションズ(東京・千代田区)代表取締役社長の會田秀巳氏は、「日本で開発・販売を行う体制は現時点ではないが、海外で始まった国際共同試験に遅れることなく参加することで日本でもタイムラグなく承認が得られると期待している」と語る。

 Verastem社の日本/アジアアドバイザーであるSteve Engen氏は、「日本での開発や販売に関するパートナーを探している。米国ではVerastem社が主導で開発を進めているので、日本では日本企業と提携できればと考えている」と言う。

 7月11日に開催された兵庫医科大学医療セミナーでは、長く悪性中皮腫の研究や臨床に取り組んできた兵庫医科大学呼吸器内科学講座主任教授の中野孝司氏、愛知県がんセンター研究所部長の関戸好孝氏らとともに、米国マサチューセッツ工科大学のRobert Weinberg氏、オランダがん研究所のPaul Baas氏が来日参加し、悪性中皮腫の病態から最新の臨床試験の動向まで講演、議論を行った。

 悪性中皮腫では、これまでdriver mutationなどのがん遺伝子の変異は見つかっていない。ただし、血管内皮増殖因子(VEGF)が関与する可能性が示唆され、ゲムシタビン+シスプラチンへのベバシズマブの併用効果が検討されたが、無増悪生存期間(PFS)、全生存期間(OS)のいずれも改善効果が認められなかった。

 最近では、シスプラチンにペメトレキセドを併用することでOSを改善することが示され、シスプラチン+ペメトレキセドは標準治療となっている。

 その後、マウス中皮腫モデルにおいて、ペメトレキセドにdefactinibを併用すると腫瘍縮小効果が得られることが明らかになってきた。さらにモデルマウスにおいて、シスプラチン+ペメトレキセドによる治療後にFAK阻害薬を投与すると抗腫瘍効果が持続するという結果が得られている。

 そこで開始されたのが、国際共同プラセボ対照フェーズ2試験でアルCOMMAND試験だ。導入療法としてシスプラチン+ペメトレキセドを4〜6サイクル行った後、病勢安定(SD)以上が得られた患者を、defactinib群もしくはプラセボ群に割り付けてPFS、OSを検討する。

 なお、悪性中皮腫においては、関戸氏らが、遺伝子異常の1つとして、がん抑制遺伝子であるNF2遺伝子(Neurofibromatosis2、タンパク質名ではマーリン)の変異を見いだしている。FAK阻害薬を用いた研究から、マーリン低値の患者はマーリン高値の患者と比較してFAK阻害薬の効果が高いことが示されている。そこで、COMMAND試験でも、マーリン値で2グループに分けてプラセボ群とdefactinib群の効果を比較検討する。

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