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2014/6/30

進行胃癌のセカンドライン治療としてramucirumab+パクリタキセルはQOLの評価でも良好な結果【WCGC2014】

森下紀代美=医学ライター

 進行胃癌または胃食道接合部(GEJ)腺癌のセカンドライン治療として、パクリタキセルに対するramucirumabの上乗せ効果を検討したフェーズ3のRAINBOW試験から、患者報告アウトカムとECOG PS(以下、PS)の結果が発表された。解析の結果、ramucirumabの追加によりQOLとPSが長期間維持され、QOLが安定または改善したと回答した患者がパクリタキセル単剤よりも多かったことがわかった。6月25日から28日までスペイン・バルセロナで開催された第16回世界消化器癌学会(WCGC2014)で、ドイツKrankenhaus NordwestのSalah-Eddin Al-Batran氏が発表した。

 RAINBOW試験では、進行胃癌またはGEJ腺癌に対するファーストライン治療で進行した、PS 0または1の患者を対象として、ramucirumab+パクリタキセルとプラセボ+パクリタキセルを比較した。治療は28日を1サイクルとして、ramucirumab(8mg/kgを1、15日目に投与)またはプラセボを、パクリタキセル(80mg/m2を1、8、15日目に投与)と併用した。

 同試験の主な結果はすでに発表されており、主要評価項目である全生存期間(OS)のハザード比は0.807(p=0.0169)で、プラセボ+パクリタキセル群と比べてramucirumab+パクリタキセル群で有意に延長した。無増悪生存期間(PFS)、奏効率、病勢コントロール率も、ramucirumabを追加することにより有意に改善した。

 進行胃癌において患者報告アウトカムの特徴を報告した臨床試験は少ない。同試験ではEORTC QLQ-C30 version 3.0(以下、QLQ-C30)、EQ-5D、PSを用いてQOLを評価しており、今回は患者報告アウトカムとPSの結果が報告された。

 患者はベースライン、治療開始から6週毎、治療中止時にQLQ-C30とEQ-5Dに回答し、試験担当医師はベースライン、各サイクルの開始前、治療中止時、追跡の30日目に PSを評価した。QLQ-C30の機能ドメインと症状尺度の悪化までの期間は、ランダム化から最初に10点(100点中)以上悪化した場合と定義し、PSの悪化までの期間は、ランダム化から最初にPS 2以上に悪化した場合と定義した。さらにQLQ-C30のスコアがベースラインに対し10点以上変化した場合に改善または悪化に分類し、その他は安定と分類した。EQ-5Dの結果は記述的に要約した。

 同試験でランダム化に進んだのは665人で、ramucirumab+パクリタキセル群330人、プラセボ+パクリタキセル群335人となった。両群の患者背景はバランスがとれていた。

 ITT解析対象集団において、ベースラインでQLQ-C30のデータが得られた患者の割合は両群ともに98%だった。治療中および治療後にデータが得られた患者の割合も、両群で同程度に推移した。

 QLQ-C30の機能ドメインと症状尺度で悪化までの期間をみると、特に心理機能、認知機能、悪心・嘔吐、疼痛、疲労感などがramucirumab+パクリタキセル群で良好だった。一方、プラセボ+パクリタキセル群で良好だったのは下痢のみだった。

 QLQ-C30の全般的健康が安定または改善したと回答した患者の割合は、治療中に評価を行ったすべての時点において、プラセボ+パクリタキセル群と比べてramucirumab+パクリタキセル群で高かった。身体機能、疼痛、疲労感でも同様のパターンが認められ、特に身体機能では両群間の差が約10-15%と明確だった。

 EQ-5Dのスコアは、治療中であっても両群ともに比較的変化が少なかった。治療中止時の悪化について、ベースラインからの平均変化は、ramucirumab+パクリタキセル群−0.16、プラセボ+パクリタキセル群−0.19だった。

 ITT解析対象集団において、PSが2以上に悪化するまでの期間は、プラセボ+パクリタキセル群と比べてramucirumab+パクリタキセル群で延長する傾向がみられ、ハザード比は0.798(95%信頼区間:0.612-1.040)となったが、有意差はなかった(p=0.0941)。

 Al-Batran氏は「進行胃癌の患者に対し、ramucirumabをパクリタキセルに追加してもQOLや健康状態を損なうことはなく、プラセボ+パクリタキセルと比べてQOLとPSを長期間維持し、より多くの患者がQOLが安定または改善したと回答した」と話した。

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