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2014/6/27

nab-パクリタキセルとゲムシタビンの併用は進行膵癌のファーストライン治療として膵内の原発腫瘍の部位によらず有効【WCGC2014】

森下紀代美=医学ライター

 転移を有する膵腺癌患者に対するファーストライン治療として、nab-パクリタキセルとゲムシタビンの併用は、膵内の原発腫瘍の部位が膵頭部と膵頭部以外のどちらであっても、全生存期間(OS)、無増悪生存期間(PFS)、奏効率をゲムシタビン単剤と比べて有意に改善することが、フェーズ3のMPACT試験のサブグループ解析から示された。6月25日から28日までスペイン・バルセロナで開催されている第16回世界消化器癌学会(WCGC2014)で、スペイン12 de Octubre University Hospital and Research InstituteのJose Lopez-Martin氏が発表した。

 MPACT試験では、4週間を1サイクルとしてnab-パクリタキセル125mg/m2とゲムシタビン1000mg/m2を1、8、15日目に投与する群(併用群)と、1サイクル目は8週間のうち7週間毎週ゲムシタビン1000mg/m2を投与し、その後は4週間を1サイクルとして1、8、15日目に投与する群(単剤群)を比較した。11カ国から登録された861人がランダム化割り付けに進み、併用群431人、単剤群430人となった。

 同試験の主な結果はすでに報告されており、主要評価項目であるOS中央値は、併用群8.5カ月、単剤群6.7カ月、ハザード比0.72(95%信頼区間:0.62-0.82)で、併用群で有意に延長した(p<0.001)。PFSは併用群5.5カ月、単剤群3.7カ月(ハザード比0.69、p<0.001)、独立審査委員会の評価による奏効率はそれぞれ23%と7%(p<0.001)となり、いずれも併用群で有意に改善したことが明らかになっている。

 今回は、膵内の原発腫瘍の部位により、nab-パクリタキセルとゲムシタビンの併用とゲムシタビン単剤の有効性と安全性を比較したサブグループ解析の結果が発表された。

 原発腫瘍の部位が膵頭部の患者は、併用群191人(年齢中央値61.0歳、男性57%)、単剤群180人(同64.0歳、66%)、膵頭部以外の患者はそれぞれ240人(同63.0歳、57%)と247人(同63.0歳、56%)となった。Whipple手術、胆管ステントが行われたのは膵頭部の患者で多かったが、その他の患者背景は同様で原発腫瘍の部位の影響はみられなかった。

 原発腫瘍の部位が膵頭部の患者のOS中央値は、併用群9.3カ月、単剤群6.5カ月、ハザード比0.59となり、併用群で有意に延長した(p<0.001)。さらにPFS中央値はそれぞれ5.5カ月と3.7カ月(ハザード比0.53、p<0.001)、奏効率は25.0%と5.0%(p<0.001)で、併用群で優れる結果だった。

 原発腫瘍の部位が膵頭部以外の患者のOS中央値は、併用群8.1カ月、単剤群6.9カ月、ハザード比0.80で、併用群で有意に延長した(p=0.033)。PFS中央値はそれぞれ5.4カ月と3.7カ月(ハザード比0.74、p=0.013)、奏効率は21.0%と9.0%(p<0.001)となり、併用群で優れる結果だった。

 原発腫瘍の部位が膵頭部と膵頭部以外の患者のいずれにおいても、nab-パクリタキセルの相対的用量強度、累積投与量は同様だった。ゲムシタビンの累積投与量は、原発腫瘍の部位によらず、単剤群よりも併用群で高かった。

 グレード3以上の有害事象の発現率は、原発腫瘍の部位によらず、各治療群で同様だった。多く観察されたグレード3以上の有害事象は、膵頭部の併用群では、好中球減少35%、末梢神経障害21%、疲労感16%などで、膵頭部以外の併用群ではそれぞれ40%、14%、17%だった。膵頭部の単剤群では、好中球減少26%、貧血15%、血小板減少9%などで、膵頭部以外の単剤群ではそれぞれ27%、11%、10%だった。各治療群の治療中止の割合も、原発腫瘍の部位の影響は受けなかった。

 Lopez-Martin氏は「今回の解析から、nab-パクリタキセルとゲムシタビンの併用は、転移を有する膵癌患者のファーストライン治療として、膵内の原発腫瘍の部位によらず、有効な治療選択肢であることが証明された」と結論している。

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