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2014/6/26

進行膵癌でCRP高値の患者のセカンドライン治療としてruxolitinibとカペシタビンの併用が有望【WCGC2014】

森下紀代美=医学ライター

 転移を有する膵癌でCRP高値の患者のセカンドライン治療として、JAK1/JAK2チロシンキナーゼの経口阻害剤であるruxolitinibとカペシタビンの併用は、カペシタビン単剤と比べて全生存期間(OS)を改善し、無増悪生存期間(PFS)も良好な傾向となる可能性が、フェーズ2のRECAP試験から示された。6月25日から28日までスペイン・バルセロナで開催されている16回世界消化器癌学会(WCGC2014)で、米国Duke University Medical centerのH. Hurwitz氏が発表した。

 進行膵癌患者を対象にゲムシタビンとベバシズマブの併用を検討したフェーズ3のCALGB80303試験では、さまざまな炎症のマーカーが中央値よりも低かった群では、中央値よりも高かった群と比べてOSが有意に改善したことが報告されている。

 RECAP試験の対象は、ゲムシタビンによる初回治療を施行後に進行した膵管腺癌(PDAC)患者で、Karnofsky PSが60%以上、適切な臓器機能を有していることとした。

 治療は21日を1サイクルとし、カペシタビン1000mg/m2は1日2回、1-14日目まで全例に投与し、併用でruxolitinib 15mgを1日2回、1-21日目まで投与する群(ruxolitinib群)、またはプラセボを1-21日目まで投与する群(プラセボ群)に、127人の患者を1:1でランダムに割り付けた。主要評価項目はOSだった。治療の多様性、ならびにruxolitinibは炎症のエビデンスがある患者に有用とする仮説を検討するため、サブグループ解析も予定された。

 ruxolitinib群64人、プラセボ群63人となり、男性はそれぞれ64.1%と54.0%、肝転移は68.8%と65.1%、肺転移は45.3%と44.4%だった。初回診断からの期間の中央値は、ruxolitinib群7.5カ月、プラセボ群8.0カ月だった。

 ITT解析対象集団では、OS中央値はruxolitinib群136.5日、プラセボ群129.5日、ハザード比0.79(95%信頼区間:0.53-1.18)となり、有意差はなかった(p=0.25)。3、6、12カ月の全生存率は、ruxolitinib群ではそれぞれ64%、42%、22%、プラセボ群では58%、35%、11%だった。

 ただし、OSのサブグループ解析では、血清CRP値(以下、CRP)が中央値の13mg/Lを超える患者は、13mg/L値以下の患者よりもruxolitinibで良好であることが示された。

 CRPが13mg/Lを超える患者のOS中央値は、ruxolitinib群83.0日、プラセボ群55.0日、ハザード比0.47(95%信頼区間:0.26-0.85)となり、ruxolitinib群で有意に改善した(p=0.01)。3、6、12カ月の全生存率は、ruxolitinib群でそれぞれ48%、42%、11%、プラセボ群で29%、11%、0%だった。年齢、肝転移・肺転移、Karnofsky PSなど、OSに影響するベースラインの特性を調整した後も、ハザード比は0.50(95%信頼区間:0.26-0.96)だった(p=0.037)。

 血清アルブミン値(以下、アルブミン)とCRPによる栄養状態の指標、mGPSで患者を分類し、ruxolitinib群とプラセボ群のOSを比較すると、ハザード比はmGPS 0の患者(CRP≦10mg/L)で0.91(p=0.77)、mGPS 1の患者(CRP>10mg/L+アルブミン≧35g/L)で0.71(p=0.39)、mGPS1または2の患者(CRP>10mg/L)で0.60(p=0.063)、mGPS 2の患者(CRP>10mg/L+アルブミン<35g/L)で0.49(p=0.063)となった。

 ITT解析対象集団におけるPFSは、ruxolitinib群51.0日、プラセボ群46.0日、ハザード比0.75(95%信頼区間:0.51-1.10)となり、有意差はなかった(p=0.14)。CRPが13mg/Lを超える患者のPFS中央値は、ruxolitinib群48.0日、プラセボ群41.5日、ハザード比0.62(95%信頼区間:0.36-1.10)で有意差はなかった(p=0.10)が、ruxolitinib群で良好な傾向がみられた。

 ruxolitinib群で多く観察されたグレード3/4の有害事象は、貧血(15.3%)、肺塞栓症(11.9%)、疲労感(10.2%)、腹痛(10.2%)などで、全体的に忍容性は良好だった。

 Hurwitz氏は「今回のデータにより、転移を有する膵癌に対する新たな臨床的に重要な標的として、癌における炎症とJAK/STAT経路の役割が裏付けられた」とした。同氏によると、mGPS1または2で転移を有する膵癌患者を対象として、2件のフェーズ3試験(JANUS1、JANUS2)が開始されており、また大腸癌、非小細胞肺癌、乳癌の患者からmGPSをベースとして患者選択を行い、ruxolitinibの効果を検討する試験も進行中であるという。

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