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2014/6/15

濾胞性リンパ腫にリツキシマブ皮下投与は体格に関わりなく効果を損なうことなく安全に施行できる【EHA2014】

八倉巻尚子=医学ライター

 濾胞性リンパ腫の1次治療として、リツキシマブ皮下投与と化学療法の併用は、従来のリツキシマブ静脈投与と化学療法の併用と比較して、体表面積に関わりなく、効果も安全性もほぼ同じであることが、フェーズ3試験SABRINAのプール解析で確認された。英国University of Southampton Faculty of MedicineのAndrew Davies氏らが、6月12日からミラノで開催されている第19回欧州血液学会(EHA2014)で発表した。

 濾胞性リンパ腫の治療には、リツキシマブと化学療法による導入療法とリツキシマブ維持療法が行われている。投与にあたり、リツキシマブ皮下投与に要する時間はおよそ5-6分と短く、従来の静脈投与に比べ、患者や医療従事者にとって利便性の面からも有用性が期待されている。

 試験は、2つのステージに分けられている。未治療のCD20陽性濾胞性リンパ腫(グレード1-3a)患者127人を対象としたステージ1では、静脈投与と皮下投与の効果は同等であることが示された。ステージ2では283人を追加して、さらに2つの投与方法による効果と安全性が評価された。今回は、ステージ1の127人とステージ2の283人を合わせた計410人を対象にプール解析が行われた。410人のうち、皮下投与群は205人、静脈投与群が205人だった。

 治療は、導入療法として、3週おきに、リツキシマブ1400mgの皮下投与もしくはリツキシマブ375mg/m2の静脈投与、さらに化学療法が行われた。化学療法は、CHOP療法あるいはCVP療法を8サイクル行った。なお皮下投与群、静脈投与群でCHOP療法を受けた患者は64%、63%、CVP療法が36%、37%だった。

 また導入療法でCRあるいはPRが得られた患者は、リツキシマブ皮下投与もしくは静脈投与による維持療法を行った。

 この結果、まず血中濃度トラフ値について、皮下投与の静脈投与に対する幾何平均値の比(Geometric Mean Ratio:GMR)は1.5で、投与中に大きな変化はなかった。また体表面積(BSA)で3群(1.7m2以下、1.7m2超1.9m2以下、1.9m2超)に分けても、GMRはほぼ同じだった。

 奏効率(ORR)は皮下投与群83.4%(95%信頼区間:77.6-88.2)、静脈投与群84.4%(同:78.7-89.1)だった。完全奏効(CR)もしくは不確定CR(CRu)の割合も、それぞれ32.7%、31.7%でほぼ一致していた。

 BSA低値患者での奏効率は、皮下投与群77.9%、静脈投与群88.2%、BSA中等値患者では85.7%、79.2%、BSA高値患者は87.5%、87%だった。CHOP療法を行った患者の奏効率は86.4%、86.2%、CVP療法の患者では78.1%、81.3%であった。

 フォローアップ期間中央値は皮下投与群14.4カ月、静脈投与群14.3カ月で、有害事象の発生頻度は2群でほぼ同じであり、皮下投与群が93%、静脈投与群が92%だった。グレード3以上の有害事象の発生頻度もほぼ同じで、皮下投与群では49%、静脈投与群で47%だった。重篤な有害事象はそれぞれ29%、26%だった。ただ投与関連反応は皮下投与群で47%、静脈投与群で33%に認められたが、ほとんどがグレード1-2だった。

 重篤な有害事象のうち最も頻度が高かったのは感染症で、皮下投与群は10%、静脈投与群は8%だった。重篤な発熱性好中球減少症は、皮下投与群で6%、静脈投与群4%だった。なおBSAの3群間で、有害事象の頻度に大きな違いはなかった。
 
 以上の結果から、皮下投与は静脈投与の効果および安全性プロファイルと類似しており、皮下投与によって新たな安全性の問題はなかったとした。

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