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2014/6/5

分子標的治療を受けている転移性腎細胞癌患者は肥満度が高いほど予後が良好、1975例の後ろ向き解析から【ASCO2014】

加藤勇治

 分子標的治療を受けている腎細胞癌患者において、肥満度が高いほど予後が良好な傾向にあることが示された。5月30日から米国シカゴで開催されている第50回米国臨床腫瘍学会(ASCO2014)で、米Dana Farber Cancer InstituteのL Albiges氏が発表した。

 肥満は腎細胞癌の発症リスクを高めると考えられているが、一方で、最近、肥満の腎細胞癌患者は正常もしくは低体重患者よりも予後が良好な傾向にあるとする報告がいくつかあることや、肥満環境で増殖する腫瘍は活性が高くないのではないかと考えられる結果が得られている。

 そこで同グループは、転移性腎細胞癌に対して分子標的治療を受けている患者を対象に、治療アウトカムとBMIの関係について解析した。

 解析対象は、International Metastatic Renal Cell Cancer Database Consortium(IMDC)に登録された1975例で、予後や治療アウトカムに対するBMIの影響について検討した。

 治療開始時点で66例は低体重(BMI<18.5mg/m2)、719例は正常体重(BMIが18.5以上25kg/m2未満)で、663例は過体重(BMI 25kg/m2以上30kg/m2未満)、527例が肥満(BMI≧30kg/m2)だった。

 対象者の背景は、TKI治療を開始した年齢が60歳以上だったのが全体で54%、男性比率が7割、淡明細胞癌が全体の87%、腎摘除術施行歴ありが8割、サイトカイン療法歴ありが2割、IMDCリスク分類でintermediateグループが6割弱を占めた。

 フォローアップ期間中央値は21.1カ月で、全対象者の全生存期間(OS)中央値は21.5カ月だった。

 追跡の結果、過体重と肥満を合わせたグループのOS中央値は25.6カ月で、低体重・正常体重グループの17.1カ月と比較して有意に良好な結果だった。IMDCの予後因子で調整して比較しても、過体重・肥満グループの方がOSが良好であるという傾向は変わらなかった。

 全対象者の1次治療の治療成功期間中央値は7.2カ月で、低体重・正常体重グループでは5.7カ月だったのに対し、過体重・肥満グループは8.1カ月で有意に良好だった。同様にIMDCの予後因子で調整しても傾向は変わらなかった。

 治療不成功になる理由について検討した結果、毒性については肥満度の違いで差はなかったが、病勢進行が理由だった患者は肥満度の高いグループの方が少なかった。

 これらの結果から、肥満度の低い患者で毒性の発現割合が高くなるというバイアスは除外することができ、肥満度が高いほど予後が良好であると考えられると締めくくった。

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