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2014/6/5

進行非小細胞肺癌に対するEGFR-TKIとプラチナ併用療法に関する検証進む【ASCO2014】

加藤勇治

 進行非小細胞肺癌に対してEGFRチロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)とプラチナ併用療法の評価が進んでいる。北海道大学呼吸器内科学分野の大泉聡史氏らは、6月3日までシカゴで開催された第50回米国臨床腫瘍学会(ASCO2014)で、EGFR-TKIとプラチナ併用療法の、同時投与と逐次交代療法を比較検討したNEJ005/TCOG0902試験の結果を報告した。

 EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺癌に対する1次治療としてEGFRチロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)は標準的な化学療法よりも無増悪生存期間(PFS)を改善することが知られているが、近年、いくつかの報告により、EGFR遺伝子変異の有無にかかわらず非小細胞肺癌に対するEGFR-TKIとプラチナ併用療法が有効である可能性が示唆されるようになった。特にEGFR-TKIとペメトレキセドの組み合わせは有効性が期待される基礎的な検討結果がある。

 そこで同グループは、EGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺癌に対するゲフィチニブとシスプラチン+ペメトレキセドの有効性を検討するNEJ005/TCOG0902試験を実施した。

 主要評価項目はPFSで、副次評価項目として全生存期間(OS)、奏効率、安全性を設定した。

 対象はステージ3B/4もしくは再発の化学療法未治療の非小細胞肺癌で、EGFR遺伝子変異を持つ患者とした。T790M変異を持つ症例、脳転移例などは除外した。

 80例を、導入療法としてゲフィチニブ+カルボプラチン+ペメトレキセドを行い、その後、維持療法としてゲフィチニブ+ペメトレキセドを病勢進行まで継続する同時投与群と、導入療法としてゲフィチニブを8週投与した後、カルボプラチン+ペメトレキセドを2サイクル投与し、維持療法としてゲフィチニブ8週投与後にペメトレキセドを2サイクル投与する交代療法を病勢進行まで継続する逐次交代療法群にランダムに割り付けた。

 2010年1月から2012年4月までに登録した患者で、フォローアップ期間中央値は30.7カ月。女性比率が6割超で、年齢は61〜62歳(中央値)、禁煙もしくは喫煙中だった患者が5割弱で、ステージIVが9割、エクソン19欠失が5割程度、L858Rが4割強という背景だった。

 同時投与群に41例、逐次交代療法群39例が割り付けられ、治療を受けた。同時投与群は35例が維持療法へと移行し、うち30例がゲフィチニブ+ペメトレキセド治療を受けた。逐次交代療法群では24例が維持療法へ移行し、うち17例がゲフィチニブとペメトレキセドの交代療法を受けた。

 同時投与群のペメトレキセドの維持療法の投与サイクル数中央値は13(範囲1-49)、ゲフィチニブの導入療法からの治療期間中央値は17.3カ月(範囲2.9-49.5)だった。逐次交代療法群のペメトレキセドの維持療法の投与サイクル数は7(範囲1-25)、ゲフィチニブの導入療法からの治療期間中央値は11.4カ月(範囲0.3-42.5)だった(投与していない期間は除く)。

 PFSを検討した結果、同時投与群のPFS中央値は18.3カ月、逐次交代療法群は15.3カ月だった。OS中央値は、同時投与群41.9カ月、逐次交代療法群は30.7カ月だった。

 最良効果については、奏効率が同時投与群87.8%、逐次交代療法群84.6%で、同時投与群のうち完全奏効が9.8%、部分奏効が78.0%、逐次交代療法群では完全奏効が7.7%、部分奏効が76.9%だった。

 グレード3以上の有害事象として、同時投与群では嘔吐が2.4%、食欲不振7.3%、倦怠感2.4%、皮膚障害2.4%、下痢9.8%などが認められ、逐次交代療法群ではいずれも0%だった。一方、逐次交代療法群ではAST/ALT上昇20.5%と同時投与群9.8%に比べて多かった。好中球減少はいずれの群も5割弱に認められた。貧血と血小板減少は同時投与群でそれぞれ34.1%、41.5%で、逐次交代療法群では12.8%、28.2%だった。

 病勢進行後の治療は、プロトコール治療を継続したのが同時投与群46.9%、逐次交代療法群61.3%。他の治療を行ったのがそれぞれ43.8%、29.0%だった。

 両レジメンとも有効性が認められ、有害事象も許容できた。同時投与群の方がOSが良好な傾向にあったが、より良好なPFSを得るため、同時投与の治療内容についてはさらなる検討が必要であると考えられた。

 このNEJ005/TCOG0902試験の中間解析の結果を受け、同様な患者を対象に、導入療法としてゲフィチニブ+カルボプラチン+ペメトレキセドを行い、維持療法としてゲフィチニブ+ペメトレキセドを行う群とゲフィチニブのみを継続して投与する群に割り付けてOSを検討するNEJ009試験が進行中だ。この試験により、EGFR-TKIとプラチナ併用療法の併用の有効性が評価されると期待されている。

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