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2014/6/4

転移性前立腺癌に対するエンザルタミドの効果を検証したPREVAIL試験のフォローアップ解析の結果が明らかに【ASCO2014】

久保田文=日経バイオテク

 化学療法施行前の去勢抵抗性前立腺癌を対象にエンザルタミドの有効性を検討したPREVAIL試験のフォローアップ解析が報告され、エンザルタミドの有効性が改めて示されるとともに、QOL改善も示された。5月30日から6月3日まで米シカゴで開催された第50回米国臨床腫瘍学会(ASCO2014)で、米国デューク大学のAndrew J. Armstrong氏が発表した。

 PREVAIL試験の対象はアンドロゲン遮断療法で進行が認められた転移性前立腺癌。無症候性または軽微な症状しか呈しておらず、化学療法未治療患者を対象とした。登録に際し、ステロイドによる治療歴は問わないこととした。

 試験では、被験者を1対1に無作為に割り付け、アンドロゲン遮断療法にエンザルタミドまたはプラセボを併用投与した。主要評価項目は、全生存期間(OS)と画像診断による無増悪生存期間(rPFS)。516人が死亡した段階でデータモニタリング委員会による中間解析が行われ、その時点で画像診断による無増悪生存期間が解析される計画だった。

 2012年5月までに1717人が被験者登録され、エンザルタミド群(872人)とプラセボ群(845人)に割り付けられた。年齢や人種、グリーソン分類、全身状態、疼痛スコア、QOL、コルチコステロイドの使用割合、アンドロゲン遮断療法の受療回数、PSA値、酸化フォスファターゼ値、ヘモグロビン値、骨転移や内臓転移の数など患者背景に大きな差はなかった。

 2013年9月16日までに540人が死亡し、データモニタリング委員会による中間解析が実施された。その結果、OSとrPFSに有意な改善が認められ、試験は有効中止となった。その後は非盲検化され、プラセボ群にもエンザルタミドが投与されている。

 試験薬治療を行っていた期間の中央値は、エンザルタミド群で16.6カ月、プラセボ群で4.6カ月となり、エンザルタミド群ではプラセボ群より3倍以上長かった。治療期間が12カ月以上に及んだ割合はそれぞれ67.8%と18.0%。

 rPFS中央値(95%信頼区間)は、エンザルタミド群では到達せず(13.8-NYR)、プラセボ群では3.9カ月(3.7-5.4)でエンザルタミド群において有意に延長した(ハザード比0.186、95%信頼区間:0.15-0.23、p<0.0001)。

 OS中央値(95%信頼区間)は、エンザルタミド群で32.4カ月(30.1-未到達)、プラセボ群30.2カ月(28.0-未到達)となり、エンザルタミド群で有意に長かった(ハザード比0.706、95%信頼区間:0.60-0.84、p<0.0001)。

 OSに関する最新のデータでは、エンザルタミド群は中央値に到達せず、プラセボ群31.0カ月で、ハザード比0.73と有意にエンザルタミド群で良好だった。

 また、化学療法開始までの期間の中央値(95%信頼区間)も、エンザルタミド群で28.0カ月(25.8-未到達)、プラセボ群で10.8カ月(9.7-12.2)となり、有意差が確認された(ハザード比0.349、95%信頼区間:0.30-0.40、p<0.0001)。

 PSA値が50%以上低下した割合は、エンザルタミド群で78.0%、プラセボ群で3.5%で、エンザルタミド群で有意に高かった(p<0.0001)。さらに90%以上低下した割合もエンザルタミド群で46.8%、プラセボ群で1.2%と有意差を認めた。PSA進行までの期間も、エンザルタミド群で11.2カ月(11.1-13.7)、プラセボ群で2.8カ月(2.8-2.9)となり、エンザルタミド群で有意に長かった(ハザード比0.169、95%信頼区間:0.15-0.0.20、p<0.0001)。

 また、最初の骨関連事象の発現までの期間を比較した結果、エンザルタミド群31.1カ月、プラセボ群31.3カ月だったが、1年無骨関連事象発生率を比較すると、プラセボ群73%に対し、エンザルタミド群84%だった。

 QOLの評価には、FACT-P(Functional Assessment of Cancer Therapy-Prostate)を用いた。FACT-PでQOLが改善した患者の割合は、エンザルタミド群で39.7%、プラセボ群で22.9%となり、有意差を認めた(p<0.0001)。

 エンザルタミド群(871人)とプラセボ群におけるグレード3以上の治療関連有害事象は次の通り。倦怠感が1.8%と1.9%、背部痛が2.5%と3.0%、便秘が0.5%と0.4%、関節痛が1.4%と1.1%、食欲減退が0.2%と0.7%、ホットフラッシュは0.1%と0%、下痢は0.2%と0.4%、高血圧は6.8%と2.3%、無力症が1.3%と0.9%、気分の落ち込みが1.4%と0.7%、体重減少が0.6%と0.2%、浮腫が0.2%と0.4%、頭痛が0.2%と0.4%だった。グレード3以上の有害事象のうち、高血圧はエンザルタミド群6.8%、プラセボ群2.3%、循環器系イベントがそれぞれ2.8%、2.1%、ALT上昇がそれぞれ0.2%、0.1%、発作がそれぞれ0.1%、0%だった。

 PREVAIL試験ではエンザルタミドがrPFSを延長し、死亡リスクを下げ、化学療法開始までの期間を遅らせ、QOLを改善するといった効果が証明され、忍容性も確認された。「転移性前立腺癌患者に対し、アンドロゲン遮断療法にエンザルタミドを上乗せすることで、臨床上のベネフィットが得られるだろう」とArmstrong氏は語った。

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