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2014/6/4

ファーストライン治療として標準療法にnecitumumabを加えることで、扁平上皮NSCLC患者の生存期間が有意に延長【ASCO2014】

中西美荷=医学ライター

 標準療法であるゲムシタビン-シスプラチン療法に、necitumumabを加えることで、扁平上皮(sq-)非小細胞肺癌(NSCLC)患者の全生存期間(OS)が有意に延長することが明らかになった。最大規模の多施設ランダム化オープンラベルフェーズ3試験SQUAREで示されたもので、5月30日から6月3日まで米国シカゴで開催された第50回米国臨床腫瘍学会(ASCO)で、英国The University of Manchester, Institute of Cancer ScienceのNick Thatcher氏が報告した。

 扁平上皮癌(sq)は、非小細胞肺癌(NSCLC)の25-30%を占める組織型で、非sq-NSCLCと比較すると、最近の治療に進歩がみられていないが、プラチナ製剤を含むファーストライン治療にセツキシマブを加えた場合、もっとも大きなベネフィットを受けるサブグループであることが報告されている。

 SQUAREの対象はECPG PS 0-2、ステージIVのsq-NSCLC患者で、ECOG PS、登録地域で層別化した後、necitumumab群(545例)またはGem-Cis群(548例)に無作為割付した。necitumumabは、上皮細胞成長因子(EGFR)へのリガンド結合を阻害するようにデザインされたヒトIgG1型モノクローナル抗体である。なお本試験では、EGFR発現に基づく患者選択は行われていない。

 治療内要は、両群ともにゲムシタビン1250mg/m2を第1、8日、シスプラチン75mg/m2を第1日に3週毎投与し、necitumumab群ではこれに加えてnecitumumab 800mgを第1、8日に最大6サイクルまで3週毎投与。その後は、PDまでnecitumumab 800mg、第1、8日の3週毎投与を継続した。主要エンドポイントは全生存(OS)、副次エンドポイントは無進行生存(PFS)、奏効率(ORR)、安全性等。探索的にEGFR蛋白発現(IHC、H-スコア)も評価した。

 対象は、90%が喫煙者(necitumumab群92%対Gem-Cis群90%)であるなど、sq-NSCLCに典型的で、50%以上が転移数2以上と、転移の多い患者集団だった。治療群による患者背景の差はなかった。

 薬剤暴露も両群で同等で、ゲムシタビンが6サイクル、相対用量強度86%、シスプラチンが6サイクル、相対用量強度95%。necitumumabは全体で6(1−45)サイクル投与され、相対用量強度は94.4%。275例(51%)に対してnecitumumabの継続投与が行われ、中央値で4(1-41)サイクル投与されていた。

 追跡機間中央値necitumumab群25.2カ月、Gem-Cis群24.8カ月において、OS中央値(95%信頼区間)は、necitumumab群11.5(10.4-12.6)カ月、Gem-Cis群9.9(8.9-11.1)カ月で、死亡リスクは16%有意に低下した(ハザード比[HR](95%信頼区間)0.84(0.75-0.96)、p=0.012)。1年OS率は47.7%対42.8%、2年OS率は19.9%対16.5%。生存曲線は早期に分岐し、その後も分岐が維持された。生存ベネフィットは、事前に規定したサブグループにかかわらず一貫して認められた。

 PFS中央値(95%信頼区間)は、necitumumab群5.7(5.6-6.0)カ月、Gem-Cis群5.5(4.6-5.6)カ月で、疾患進行リスクは15%有意に低下した(HR(95%信頼区間)0.85(0.74-0.98)、p=0.020)。奏効率(ORR:CR+PR)(95%信頼区間)は、necitumumab群で31.2(27.4-35.2)%、Gem-Cis群で28.8(25.2-32.8)%と有意差はなかったが(p=0.400)、疾患コントロール率(DCR:CR+PR+SD)(95%信頼区間)は、81.8(78.4-84.8)%対77.0(73.3-80.3)%と、necitumumab群で有意に良好だった(p=0.400)。

 H-スコア200をカットポイントとしたEGFR蛋白発現には、OS、PFSとの相関が認められず、H-スコアで200をカットポイントとすることは、予後予測因子とは考えられなかった。

 necitumumab群の99.1%、Gem-Cis群の97.8%が何らかの有害事象(AEs)を経験し、グレード3以上は72.1%対61.6%とnecitumumab群で高頻度だった。重度のAEsは47.8%対37.5%、治療中断を余儀なくされたAEs発現は31.2%対24.6%。死亡に至ったAEs(PDを含む)は12.3%対10.5%で、PD以外に限ると、8%対7%だった。

 necitumumabを加えることによる血液学的毒性の増加はみられなかった。necitumumab群でより多かったグレード3以上のAEsは、低マグネシウム、皮疹で、血栓塞栓性イベントもわずかに多かった。致死的な動脈血栓塞栓イベントがnecitumumab群3例、Gem-Cis群1例、静脈血栓塞栓イベントが各1例に認められた。

 Thatcher氏は、「転移性sq-NSCLCに対する新たな治療法については、過去20-25年間、進歩が認められていなかった。SQUAREの成績は、非常に重要な進歩である」との見解を示した。

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