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2014/6/4

NSCLCに対するセカンドライン治療、ドセタキセルとRamucirumabの併用で死亡リスクが14%有意に低下【ASCO2014】

中西美荷=医学ライター

 ランダム化フェーズ3試験REVELにおいて、ドセタキセルとRamucirumabの併用が、非小細胞肺癌(NSCLC)に対するセカンドライン治療として、初めて化学療法単独と比較して有意に全生存期間(OS)を延長した。5月30日から6月3日まで米国シカゴで開催された第50回米国臨床腫瘍学会(ASCO)で、フランスCancer Research Center of LyonのMaurice Perol氏が報告した。

 Ramucirumabは、VEGF受容体2の細胞外ドメインに結合することにより、VRGFリガンドの結合を阻害するようデザインされた、遺伝子組換え型抗VEGFR2ヒトIgG1型モノクローナル抗体である。胃癌では単剤または化学療法との併用で、OSを延長することが示されている。

 RAVELの対象は、ステージIVでプラチナ製剤を含む化学療法±維持療法にもかかわらず進行したNSCLC患者。組織型は問わず、ECOG PSは1以下、前治療としてベバシズマブは許可した。ECOG PS、性別、維持療法前治療、登録地域によって層別化した後、Ramucirumab群(Ramucirumab 10mg/kgを3週毎投与+ドセタキセル75mg/m2を3週毎投与、628例)またはプラセボ群(プラセボ 10mg/kgを3週毎投与+ドセタキセル75mg/m2を3週毎投与、625例)に1対1で無作為割付し、疾患進行または容認できない毒性発現、脱落まで治療を継続した。

 主要エンドポイントは全生存(OS)、副次エンドポイントは無増悪生存(PFS)、奏効率(ORR)、安全性、患者報告でのQOL。今回、有効性、安全性の成績が報告された。

 両群の患者背景に偏りはなく、2/3が男性、年齢中央値62歳、80%以上が白人、30%弱が扁平上皮癌、70%がECOG PS1だった。EGFR変異については試験開始時期の関係から明らかになっているのは1/3の患者で、約3%が変異を有していた。タキサン前治療は24%、ベバシズマブ使用歴は14%で、2/3でファーストライン化学療法のベネフィットを認めていた。

 OS中央値(95%信頼区間)は、プラセボ群の9.1(8.4-10.0)カ月に対してRamucirumab群では10.5(9.5-11.2)カ月と1.4カ月延長し、死亡リスクは14%有意に低下した(HR=0.857[95%信頼区間:0.751-0.079]、p=0.0235)。OS曲線は初期に分岐し、試験期間中、分岐したまま維持された。

 無増悪生存(PFS)期間中央値(95%信頼区間)は、プラセボ群の3.0(2.8-3.9)カ月に対してRamucirumab群では4.5(4.2-5.4)カ月と1.5カ月延長し、疾患進行リスクは24%有意に低下した(HR=0.762[0.677-0.859]、p<0.0001)。奏効率もプラセボ群の14%に対してRamucirumab群では23%と有意に高率だった(p<0.001)。こうした治療効果は、非扁平上皮癌、扁平上皮癌など、いかなるサブグループでも認められた。また進行後の治療は両群で偏りを認めず、Perol氏は「OSの差への影響は最小限だと考えられる」とした。

 治療下で発現した有害事象(TEAE、全グレード)を経験した患者はRamucirumab群(627例)97.8%、プラセボ群(618例)96.1%で同等だった。グレード3以上のTEAE(78.9%対71.8%)、治療中断につながるTEAE(9.3%対5.2%)はRaucirumab群の方が多かった。死亡につながったTEAE(5.4%対5.7%)には差がなかった。

 多くの毒性は化学療法に起因するもので、Ramucirumab群ではグレード3以上の好中球減少(48.8%対39.8%)および発熱性好中球減少(15.9%対10.0%)、全グレードでの血小板減少(10.5%対4.5%)、口内炎(19.0%対11.3%)、粘膜炎症(13.2%対6.5%)、末梢浮腫(16.3%対8.3%)、流涙増加(13,2%対4.5%)がより高頻度だったが、グレード5のものはなく、TEAEによる入院やG-CSF使用にも差はなかった。また多くが減量や支持療法によって管理可能だった。

 出血(26.5%対12.9%)の多くはグレード1/2で、鼻出血(18.2%対6.3%)が多かった。扁平上皮癌を含め、Ramucirumab群での消化管出血、喀血、肺出血の増加はなかった。また高血圧(全グレード5.3%対2.8%、グレード3/4 5.6%対2.1%)はより高頻度だったが、血栓塞栓イベントの増加はなかった。

 遺伝子学の進歩にもかかわらず、多くのNSCLC患者の治療選択は化学療法にとどまっている。サブグループ解析を除いて、標準化学療法に新規薬剤を加えることでOS改善を示した試験はなかったが、RAVEL試験で初めて達成された。現在、FDAにセカンドライン治療として認可されているのは、ドセタキセル、ペメトレキセド、エルロチニブの3剤のみで、その全生存期間(OS)中央値は7-8か月である。

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