このページの本文へ

がんナビ

がんナビについて

がん患者さんとその家族のために、がんの治療や患者さんの日々の生活をナビゲートします。

がん種から情報を探す

  • 乳がん
  • 肝がん
  • 大腸がん
  • 腎がん
  • 胃がん
  • 肺がん
  • 食道がん
  • 前立腺がん
  • 子宮頸がん
  • 膵がん
  • 卵巣がん
  • その他のがん

News ニュース

ニュース一覧へ

新着一覧へ

ニュース

2014/6/3

EGFR遺伝子変異陽性非小細胞肺癌に対する1次治療としてエルロチニブ+ベバシズマブ併用はエルロチニブ単独よりもPFSを改善【ASCO2014】

加藤勇治

 EGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺癌に対する1次治療として、エルロチニブとベバシズマブの併用はエルロチニブ単独投与に比べて大幅に無増悪生存期間(PFS)を延長することが、前向きランダム化試験の結果から示された。5月30日から米国シカゴで開催されている第50回米国臨床腫瘍学会(ASCO2014)で、神奈川県立循環器呼吸器病センターの加藤晃史氏が発表した。

 EGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺癌に対し、EGFRチロシンキナーゼ阻害薬(EGFR-TKI)が登場したものの、臨床試験の結果では、PFSは長くても13カ月程度にとどまっている。ただし、2次治療としてエルロチニブ+ベバシズマブ併用とエルロチニブ単独を比較したBeTa Lung試験のサブグループ解析では、EGFR遺伝子変異陽性例ではエルロチニブ+ベバシズマブ群で全生存期間(OS)を延長する可能性が示唆されたことから、同グループはエルロチニブ+ベバシズマブ併用の有効性を前向きに検討するため、オープンラベルランダム化試験(JO25567試験)を行った。

 対象は、ステージ3b/4もしくは再発の非扁平上皮癌で、EGFR遺伝子変異陽性(エクソン19欠失、L858R)の非小細胞肺癌。脳転移例は除外した。化学療法未治療の患者を、エルロチニブ(150mg/日)+ベバシズマブ(15mg/kg3週ごと)併用群もしくはエルロチニブ群に割り付けた。

 主要評価項目は、独立した評価委員会によって評価したPFSで、副次評価項目としてOS、奏効率、安全性、QOLを設定した。

 2011年2月から2012年3月までに154人が登録され、エルロチニブ+ベバシズマブ群に77人、エルロチニブ群に77人が割り付けられた。エルロチニブ+ベバシズマブ群のうち2例は血栓症と胸水のため治療を開始する前に撤回され、75例が解析対象となった。

 患者背景はバランスがとれており、2群間で有意な差はなかった。ステージ4が8割、エクソン19欠失が5割強、L8585Rが5割弱だった。

 追跡の結果、PFS中央値は、エルロチニブ群9.7カ月に対し、エルロチニブ+ベバシズマブ群16.0カ月で、ハザード比0.54(95%信頼区間:0.36-0.79、p=0.0015)で、有意にエルロチニブ+ベバシズマブ群で良好だった。

 さらにEGFR遺伝子変異の種類別に検討したところ、エクソン19欠失変異グループにおいては、エルロチニブ群10.3カ月に対し、エルロチニブ+ベバシズマブ群18.0カ月となった。L858Rグループにおいては、エルロチニブ群7.1カ月に対し、エルロチニブ+ベバシズマブ群13.9カ月となった。さまざまなサブグループで検討したが、いずれも併用群が良好な傾向にあった。

 奏効率は、エルロチニブ群が64%だったのに対し、エルロチニブ+ベバシズマブ群69%だった。エルロチニブ+ベバシズマブ群に完全奏効(CR)が3例、エルロチニブ群にはCRが1例認められた。病勢コントロール率はエルロチニブ群88%に対し、エルロチニブ+ベバシズマブ群99%だった。

 エルロチニブの治療期間中央値について、エルロチニブ群では254日だったのに対し、エルロチニブ+ベバシズマブ群では431日、ベバシズマブの治療期間中央値は、エルロチニブ+ベバシズマブ群で325日だった。有害事象による治療中止が認められたのは、エルロチニブについて、エルロチニブ群18%、エルロチニブ+ベバシズマブ群16%、ベバシズマブについては41%だった。

 有害事象については、グレード3/4の皮膚障害がエルロチニブ群20%だったのに対し、エルロチニブ+ベバシズマブ群は25%と多かった。また、グレード3/4の高血圧が、エルロチニブ群10%だったのに対し、エルロチニブ+ベバシズマブ群60%と多かった。グレード3/4の蛋白尿もエルロチニブ群0%に対し、エルロチニブ+ベバシズマブ群8%だった。ただし、多くの有害事象は管理可能で、今までに報告されている以外の新しい有害事象は認められなかった。ベバシズマブを併用することによるQOLの低下は認められなかった。

 これらの結果から、1次治療におけるEGFR遺伝子変異陽性の非小細胞肺癌に対するエルロチニブ+ベバシズマブ併用は、エルロチニブ単独投与と比較して大幅にPFSを延長すると考えられた。

この記事を友達に伝える印刷用ページ