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2014/6/3

再発・難治性多発性骨髄腫にpanobinostatとボルテゾミブ、デキサメタゾン3剤併用は高い有効性【ASCO2014】

八倉巻尚子=医学ライター

 再発もしくは再発かつ難治性の多発性骨髄腫に対し、脱アセチル化酵素阻害剤panobinostatとボルテゾミブ、デキサメタゾンの3剤併用療法は、ボルテゾミブとデキサメタゾンの2剤併用療法よりも有効性が高いことが、ランダム化二重盲検フェーズ3試験Panorama 1で明らかになった。米国Dana-Farber Cancer Instituteの Paul G. Richardson氏らが5月30日からシカゴで開催されている第50回米国臨床腫瘍学会(ASCO2014)で発表した。

 PANORAMA 1試験は、再発患者もしくは再発し難治性となった患者(ボルテゾミブ抵抗性および初回からの難治性患者を除く)で、1-3回の治療歴のある患者を対象とした。

 治療は2つのフェーズに分けられている。治療フェーズ1では、1サイクルを21日として、panobinostatもしくはプラセボとボルテゾミブ、デキサメタゾンの投与を8サイクル(計24週)行った。治療フェーズ1で臨床的有用性(EBMT基準でSD以上)が認められた患者は治療フェーズ2に移行した。治療フェーズ2では、1サイクルを42日として、panobinostatもしくはプラセボとボルテゾミブ、デキサメタゾンの投与を4サイクル(計24週)行った。

 治療フェーズ1は、2 週投与1週休薬のスケジュールで、panobinostat 20mgもしくはプラセボを週3回投与し、ボルテゾミブ 1.3 mg/m2を1日目、4日目、8日目、11日目に、デキサメタゾン20 mgはボルテゾミブ投与中および投与後(1-2日目、4-5日目、8-9日目、11-12日目)に投与した。

 治療フェーズ2は、2週投与1週休薬を2回繰り返すスケジュールで、panobinostat 20mgもしくはプラセボを週3回投与し、ボルテゾミブ 1.3 mg/m2を1日目、8日目、22日目、29日目に、デキサメタゾン20 mgはボルテゾミブ投与中および投与後(1-2日目、8-9日目、22-23日目、29-30日目)に投与した。

 主要評価項目は無増悪生存期間 (PFS)で、副次評価項目は全生存期間 (OS)、および奏効率(ORR)、near CR/CR率、奏効期間 (DOR)、無増悪期間(TTP)、安全性などとした。

 試験は34カ国215施設で実施され、768人が登録した。Panobinostat群は387人、プラセボ群は381人となった。年齢中央値は63歳。48%の患者は前治療を2回以上受けており、ボルテゾミブによる治療を受けた患者は43%、サリドマイドが51%、レナリドミドは20%、ボルテゾミブ+IMiD(免疫調整剤)は25%だった。

 治療期間中央値はpanobinostat群は152日、プラセボ群は187日。panobinostatの相対的用量強度の中央値は80.7%だった。治療フェーズ2に移行した患者はpanobinostat群43.7%、プラセボ群50.4%だった。

 PFS中央値はpanobinostat 群12.0カ月、プラセボ群8.1カ月、ハザード比0.63(95%信頼区間:0.52-0.76)、p<0.0001だった。

 サブグループ解析でも、人種、性別、年齢、ISSステージ、細胞遺伝学なリスクおよび前治療別のサブグループで、panobinostat群はプラセボ群に対し良好な傾向を示した。

 OSの中間解析では、中央値がpanobinostat群33.64カ月、プラセボ群30.39カ月、ハザード比0.87(95%信頼区間:0.69-1.10)だった。OSの最終解析はイベント数が415人に達した後に行われる。

 奏効率はpanobinostat群60.7%、プラセボ群54.6%(p=0.087)で、nCR/CR率はそれぞれ27.6%、15.7%(p=0.00006)だった。DOR中央値は13.1カ月、10.9カ月、TTP中央値は12.7カ月、8.5カ月だった。

 主なグレード3/4の血液毒性は、血小板減少がpanobinostat群67.4%、プラセボ群31.4%、好中球減少がそれぞれ34.5%、11.4%で、グレード4の好中球減少が6.6%、2.4%、発熱性好中球減少が1%、0.5%に見られた。panobinostat群では血小板減少による投与中止が1.6%、プラセボ群は0.5%だった。

 主なグレード3/4の非血液毒性は、下痢がそれぞれ25.5%、8.0%、無力症・疲労感が23.9%、11.9%で、panobinostat群では下痢による投与中止が4.5%、疲労感による中止が2.9%だった。

 ただし有害事象は予測可能で全体的に減量や支持療法で管理可能であったとした。治療中の死亡はpanobinostat群7.9%、プラセボ群4.8%で、病勢進行による死亡が1.0%、1.6%だった。

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