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2014/6/3

化学療法未治療のCRPCに対するプレドニゾンへのorteronel追加はPFSを改善、ただしOSでは有効性示せず【ASCO2014】

加藤勇治

 化学療法未治療の去勢抵抗性前立腺癌に対するプレドニゾンへのorteronel追加は、無増悪生存期間やPSA値変化を改善することが示された。ただし、全生存期間(OS)の延長効果は認められなかった。5月30日から米国シカゴで開催されている第50回米国臨床腫瘍学会(ASCO2014)で、オランダErasmus UniversityのRonald Wit氏が発表した。

 orteronel(TAK-700)はテストステロン生合成系の鍵酵素の1つである17,20-lyase阻害薬。フェーズ1、2試験において、CRPCに対し、安全性と有効性が示されていた。

 今年のASCO-GU2014で、化学療法既治療の去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)に対し、orteronelはプラセボと比べて全生存期間(OS)を改善しなかったが、副次評価項目の画像評価による無増悪生存期間(rPFS)は改善することが示されていた(ELM-PC 5試験)。

 今回、同グループは、化学療法未治療のCRPCに対するorteronelの有効性を検討するフェーズ3試験(ELM-PC 4試験)の結果を報告した。

 試験は、化学療法未治療で、無症状で登録時にオピオイドを使用していない患者1560人を登録し、orteronel 400mg1日2回+プレドニゾン5mg1日2回群(orteronel群)に781人、プラセボ+プレドニゾン(プラセボ群)に779人がランダムに割り付けられた。

 主要評価項目はOSとrPFSで、副次評価項目はPSA反応、循環腫瘍細胞(CTC)の変化、痛みの進行までの期間などを設定した。

 患者は欧州、北米、日本、オーストラリア、南米などから登録された。

 患者背景は、年齢中央値が約71歳、PSA中央値はorteronel群55.8ng/mL(範囲0.06-15530)、プラセボ群55.3ng/mL(範囲1.71-3906)だった。Gleasonスコア8以上だったのは約50%、アルカリホスファターゼ175 U/L超だったのは約25%だった。登録時LDHが225 U/L超だったのは24%だった。登録時他臓器転移があったのは2割弱、9割が有骨転移例だった。

 治療期間中央値はorteronel群10.1カ月、プラセボ群8.9カ月、1年未満だったのはorterronel群52%、プラセボ群56%だった。試験治療を中止したのは両群ともに約8割で、orteronel群では有害事象26%、病勢進行21%だったのに対し、プラセボ群は有害事象15%、病勢進行31%だった。

 グレード3以上の治療関連有害事象は、orteronel群67%、プラセボ群49%で、重篤な有害事象はorteronel群46%、プラセボ群38%だった。治療中止に至る有害事象のうち、最も頻度が高かったのは疲労で、orteronel群3%(プラセボ群1%)、病勢進行2%(プラセボ群<1%)だった。試験中の死亡例は両群ともに10%未満だった。グレード3以上の検査値異常のうち、リパーゼ上昇がプラセボ群2%に対してorteronel群17%、アミラーゼ上昇がプラセボ群1%に対してorteronel群10%だった。

 中間解析の段階では、rPFS中央値はプラセボ群8.3カ月に対し、orteronel群11.0カ月だった。今回、OS最終解析を行った段階でのrPFS中央値は、orteronel群13.8カ月、プラセボ群8.7カ月で、ハザード比0.707(95%信頼区間:0.626-0.799、p<0.00001)で、有意にorteronel群が良好だった。

 もう1つの主要評価項目であるOS中央値は、orteronel群31.4カ月、プラセボ群29.5カ月で、ハザード比0.922(95%信頼区間:0.786-1.080、p=0.31421)で、2群間に有意な差は認められなかった。

 12週時にPSA値50%以上減少した患者の割合は、orteronel群50%、プラセボ群28%で、有意にorteronel群で多かった。循環腫瘍細胞数が改善した患者の割合もorteronel群40%に対し、プラセボ群25%で、有意に改善した。次の治療開始までの期間もorteronel群17.2カ月、プラセボ群13.9カ月でorteronel群が有意に良好だった。

 登録時から12、24週時のテストステロン値の変化は2群とも低下した。orteronel群は登録時7.6ng/dLから12週時には0.2ng/dLへと低下した。プラセボ群は登録時7.7ng/dLから12週時に1.9ng/dL、24週時に1.8ng/dLへと低下した。

 このELM-PC 4試験を開始した2010年以降、2011年にはアメリカおよび欧州でアビラテロンが認可され、2012年には米国、2013年に欧州、カナダでエンザルタミドが認可されている。

 これらの結果から、Wit氏らは、orteronel+プレドニゾン併用は化学療法未治療のCRPCに対してrPFSを改善したが、OSの改善は認められなかったこと、地域の間でrPFS、OSに差は認められなかったことを指摘した。また、orteronel併用により、PSA値変化、循環腫瘍細胞数の改善、ドセタキセル治療開始までの期間などが改善したとまとめた。

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