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2014/6/2

新規診断骨髄移植不適格マントル細胞リンパ腫にVR-CAPレジメンはR-CHOPよりもPFSを有意に延長【ASCO2014】

中西美荷=医学ライター

 新規診断の骨髄移植不適格なマントル細胞リンパ腫(MCL)患者において、ボルテゾミブを含むVR-CAPレジメンが、新たな標準治療となりうることが示された。多施設ランダム化オープンラベルフェーズ3試験LYM-3002でPFSの有意な延長が示されたもので、5月30日から6月3日まで米国シカゴで開催されている第50回米国臨床腫瘍学会(ASCO)で、スイスOncology Institute of Southern SwitzerlandのFranco Cavalli氏が報告した。

 マントル細胞リンパ腫は、B細胞由来の非ホジキンリンパ腫(NHL)で、頻度は低いが中悪性度で治癒が望めない予後不良の病型である。骨髄移植不適格の患者における1次治療はR-CHOPだが、無進行生存期間(PFS)は限られている。Cavalli氏らは、米国および他の53カ国で再発MCLに対する治療薬として認可されているボルテゾミブを1次治療に組み込むことで、治療成績が改善する可能性があるとして、R-CHOPレジメンのビンクリスチンに置き換えたV-CAPレジメンの効果と安全性を評価した。

 登録基準は、新規診断された測定可能病変を有するステージII-IV、ECOG PS 0-2、骨髄移植不適格のMCL患者。2008年5月26日から2011年12月5日までに、欧州、アジア、北米、南米の128施設から128例が登録された。

 国際予後指標(IPI)および疾患ステージで層別化した後に、R-CHOP群またはVR-CAP群に1対1で割り付け、6-8サイクルの治療を行った。治療内容は、21日1サイクルで、リツキシマブ375mg/m2、シクロホスファミド750mg/m2、ドキソルビシン50mg/m2を第1日に静注、プレドニゾン100mg/m2を1-5日に経口投与が両群に共通で、これに加えて、R-CHOP群ではビンクリスチン1.4mg/m2、最大2mgを第1日に、V-CAP群ではボルテゾミブ1.3mg/m2を第1、4、8、11日に静注した。

 主要エンドポイントは、独立放射線学的レビュー委員会(IRC)によるPFS、副次エンドポイントは疾患進行までの期間(TTP)、次の治療までの期間(TTNT)、全生存(OS)、modified IWRで判定した抗腫瘍効果(CR+CRu)、安全性。

 486例が登録され、244例がR-CHOP群に、243例がVR-CAP群に無作為割付された。R-CHOP群対VR-CAP群で、年齢中央値が66(34-82)歳対65(26-88)歳、男性が75%対73%、ステージIVが74%対75%、IPI≧3が55%対54%で、両群の患者背景に大きな違いは認められなかった。治療サイクル中央値は両群ともに6(1-8)サイクル。

 追跡機間40カ月(中央値)において、PFDイベントはR-CHOP群の165例、VR-CAP群の133例、計298例に発生。IRCによるPFS中央値は、R-CHOP群14.4カ月に対してVR-CAP群では24.7カ月と有意に延長されていた(ITT解析:ハザード比[HR]=0.63、95%信頼区間:0.50-0.79、p<0.001)。研究者評価でのPFSは16.1カ月対30.7カ月(HR=0.51、p<0.001)だった。

 その他のエンドポイント(R-CHOP群対VR-CAP群)は、TTPがIRC評価で16.1カ月対30.5カ月(HR=0.58、p<0.001)、研究者評価で16.8カ月対35.0カ月(HR=0.47、p<0.001)。TTNTは24.8カ月対44.5カ月(HR=0.50、p<0.001)、OSは56.3か月対未達(HR=080、p=0.173)、4年OS率は53.9%対64.4%だった。またIRC評価での抗腫瘍効果(CR+CRu)は、42%対53%(OR=1.69、p=0.007)だった。

 R-CHOP群98%、VR-CAP群99%に何らかの有害事象(AEs)が発現し、グレード3以上のAEsはR-CHOP群85%、VR-CAP群93%、重度の有害事象は30%対38%、AEsによる治療中断は7%対9%、治療関連死は3%対2%だった。血液学的毒性では、血小板減少が全グレードで19%対72%、グレード3以上が6%対57%とV-CAP群で多かったが、R-CHOP群の3%、VR-CAP群の23%に対して血小板輸血が行われ、出血は全グレードが5%対6%、グレード3以上が1.2%対1.7%と、臨床的な差はないと考えられた。

 また末梢神経障害は、全グレード29%対30%、グレード3以上4.1%対7.5%と同等だったが、症状の回復は79%対90%、改善/回復までの期間は4.8(95%信頼区間:2.8-6.4)カ月対1.5(同:0.9-2.0)カ月、回復までの期間は5.5(95%信頼区間:3.9-8.1)カ月対3.0(同:1.6-4.7)カ月と、V-CAP群の方が速い傾向がみられた。好中球減少(全グレード74%対88%、グレード3以上67%対85%)、感染(全グレード46%対60%、グレード3以上14%対21%)がVR-CAP群でより高頻度に認められたが、Cavalli氏によれば、本試験で静注されたボルテゾミブは、皮下投与の場合には、安全性プロファイルがより良好となることも報告されているという。

 Cavall氏は、「VR-CAP療法は、R-CHOPと比較して、骨髄移植不適格な新規診断MCL患者のPFSを有意に延長し、その他の有効性エンドポイントについても、一貫して改善した。BMTなど、より強力な治療に不適格なMCL患者の新たな標準療法になりうる」との見解を示した。

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