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2014/6/3

既治療転移性腎細胞癌に対するnivolumab投与はいずれの用量でも効果があり長期奏効持続例も多い、フェーズ2試験より【ASCO2014】

加藤勇治

 既治療の転移性腎細胞癌を対象としたnivolumabのフェーズ2試験で、nivolumabは用量と効果に相関はなく、いずれの用量でも臨床的効果が認められることが示された。対象者の半数に12〜24カ月以上の長期奏効が得られていた。5月30日から米国シカゴで開催されている第50回米国臨床腫瘍学会(ASCO2014)で、米memorial Sloan Kettering Cancer CenterのRobert Motzer氏が発表した。

 nivolumabのフェーズ1試験では、0.3mg/kgから10mg/kgの間で用量と毒性の相関が認められなかった。そこで転移性腎細胞癌患者を対象にフェーズ2試験を行い、この用量毒性相関を改めて確認するとともに効果についても検討した。

 対象は、転移性腎細胞癌のうち、淡明細胞癌で、少なくとも1剤以上の抗VEGF治療を受け、全身療法の施行歴は3つ以下、KPSは70%以上とした。これらの基準を満たす患者を、nivolumab 0.3mg/kg群、2mg/kg群、10mg/kg群にランダムに1:1:1で割り付けた。nivolumabはいずれも3週ごとに、病勢進行もしくは許容できない毒性が認められるまで投与した。ただし、nivolumabに対する忍容性があり、臨床的有用性があった場合は病勢進行してもnivolumab投与を継続することとした。

 主要評価項目は、無増悪生存期間(PFS)による用量と効果の相関とし、副次評価項目としてPFS、全生存期間(OS)、客観的奏効率、安全性とした。

 解析対象となった患者は168例で、前治療としての抗VEGF治療が1ラインだったのは62%、2ラインだったのが33%、3ラインだったのが5%だった。前治療ライン数が1だったのが30%、2ラインだったのが37%、3ラインだったのが33%と濃厚な治療歴がある患者だった。最もよく使われた薬剤はスニチニブで74%、次いでエベロリムス34%、パゾパニブ27%、高用量IL-2が23%だった。全員が16カ月以上追跡された。

 追跡の結果、2013年5月のデータカットオフ時には、全体の14%が治療を継続しており、病勢進行しても投与を継続していた症例が22%あった。治療中止した患者の割合は86%で、その理由は病勢進行が75%、薬剤関連有害事象が6%、その他が5%だった。

 PFS中央値は、0.3mg/kg群で2.7カ月(80%信頼区間:1.9-3.0)、2mg/kg群で4.0カ月(同:2.8-4.2)、10mg/kg群で4.2カ月(同:2.8-5.5)だった。解析では用量とPFSの間に有意な相関は認められなかった(p=0.9)。

 奏効率は、0.3mg/kg群20%、2mg/kg群22%、10mg/kg群20%で、PFSと同様に用量との相関は認められなかった。

 全群において投与開始からおよそ3〜6カ月後に奏効が得られるケースが多かった。奏効が12〜24カ月持続している症例も19例(54%)あった。

 グレード3/4の有害事象は、0.3mg/kg群5%、2mg/kg群17%、10mg/kg群13%だった。グレード3/4の肺炎は認められなかった。治療関連有害事象のうち10mg/kg群でinfusion reactionが19例と、0.3mg/kg群2例、2mg/kg群4例に比べて多くなっていたが、それ以外の有害事象は用量との間で相関は認められなかった。

 OS中央値は0.3mg/kg群18.2カ月、2mg/kg群25.5カ月、10mg/kg群24.7カ月で、用量との間に相関は認めなかった。MSKCCリスク分類および前治療数別に全対象者を分けて検討した結果、FavorableリスクグループはOSは中央値には到達せず、Intermediateリスクグループは20.3カ月、Poorリスクグループは12.5カ月だった。前治療が1ラインだったグループのOSは中央値に到達せず、2ライン以上だったグループは18.7カ月だった。

 これらの結果からMotzer氏は、既治療転移性腎細胞癌に対するnivolumabは、用量と効果の間で相関は認められず、全用量で効果が認められたこと、治療は忍容性があり、OSについても過去の2次治療以降の臨床試験と比較して有望な結果が得られたとまとめた。そして、現在、このフェーズ2試験と同様な背景を持つ患者を対象にOSについてnivolumabとエベロリムスを比較するフェーズ3試験が進んでいることを紹介した。

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