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2014/6/1

既治療の進行肺腺癌におけるゲフィチニブのエルロチニブに対するPFSの非劣性は示されず【ASCO2014】

加藤勇治

 プラチナ併用療法既治療の進行肺腺癌において、ゲフィチニブのエルロチニブに対する無増悪生存期間(PFS)の非劣性を検証したWJOG 5108L試験で、非劣性は示されなかった。5月30日から米国シカゴで開催されている第50回米国臨床腫瘍学会(ASCO2014)で、先端医療振興財団先端医療センター病院の片上信之氏が発表した。

 今回、同グループは、ゲフィチニブのエルロチニブに対する非劣性を検証するため、多施設共同ランダム化フェーズ3試験を行った。

 対象はステージIII/IV進行もしくは再発肺腺癌。少なくとも1つ以上の化学療法を受けており、EGFR-TKI治療歴はないものとした。評価可能な病変があり、年齢20歳以上、ECOG PSは0-2とした。

 患者は、エルロチニブ1日150mgもしくはゲフィチニブ1日250mgに1:1にランダム化割り付けされた。層別化因子として性、ステージ、EGFR遺伝子変異、PS、喫煙歴、受療治療ライン数、施設が設定された。

 ゲフィチニブのエルロチニブに対する非劣性を証明するため必要とされた症例数は560例で、非劣性マージンの信頼区間上限は1.3未満とされた。副次評価項目として全生存期間(OS)、奏効率、病勢コントロール率、安全性、治療成功期間(TTF:Time to Treatment Failure)が設定された。

 2009年7月から2012年10月までに登録された患者で559例が解析された。エルロチニブ群に280例、ゲフィチニブ群に279例が割り付けられた。うち、エルロチニブ群185例(66.1%)、ゲフィチニブ群186例(66.7%)がEGFR遺伝子変異陽性だった。

 患者背景は2群間でPS以外はバランスがとれていた。年齢中央値はエルロチニブ群67歳、ゲフィチニブ群68歳、女性比率はそれぞれ54%/55%、PS 0の割合はそれぞれ50%/40%、PS 1の割合は43%/54%で、PS 1の症例はゲフィチニブ群で多かった。ステージIVの割合はいずれも69%、2次治療だった割合は69%/71%、喫煙者はいずれも50%だった。

 追跡の結果、PFS中央値はエルロチニブ群が7.52カ月に対しゲフィチニブ群6.54カ月で、ハザード比1.125(p=0.257、95%信頼区間:0.940-1.347)だった。

 EGFR遺伝子変異陽性例に限ってPFSを検討した結果、エルロチニブ群10.09カ月、ゲフィチニブ群8.90カ月(p=0.532)。EGFR遺伝子変異陰性例のPFSでは、エルロチニブ群2.10カ月、ゲフィチニブ群2.07カ月(p=0.221)だった。

 各因子別にハザード比を検討した結果、性、ステージIIIB/IV/再発の違い、PS、喫煙歴、EGFR遺伝子変異の種類、治療ラインなどはハザード比が1をまたいでいたが、65歳未満のサブグループのみハザード比1.357(95%信頼区間:1.024-1.799)でエルロチニブ優位という結果だった。

 奏功率は、エルロチニブ群44.1%、ゲフィチニブ群45.9%、病勢コントロール率はそれぞれ75.3%、70.9%だった。EGFR遺伝子変異陽性例に限って解析した奏功率は、エルロチニブ群55.3%、ゲフィチニブ群61.5%だった。EGFR遺伝子変異陰性例では、エルロチニブ群19.6%、ゲフィチニブ群8.8%だった。いずれも統計学的に有意な差ではなかった。

 TTFはエルロチニブ群5.34カ月に対し、ゲフィチニブ群5.55カ月、OSはエルロチニブ群24.54カ月、ゲフィチニブ群22.83カ月だった。EGFR遺伝子変異陽性例におけるTTFは、エルロチニブ群8.15カ月、ゲフィチニブ群7.03カ月、OSはエルロチニブ群31.97カ月、ゲフィチニブ群26.64カ月だった。

 主なグレード3/4の有害事象で2群間に違いが認められたものは、皮膚障害がエルロチニブ群18.1%、ゲフィチニブ群2.2%、AST/ALT値上昇がエルロチニブ群2.2%/3.3%、ゲフィチニブ群6.1%/13.0%だった。

 これらの結果から同グループは、ゲフィチニブのエルロチニブに対するPFSの非劣性は示されなかったが、PFS、奏功率、OSに関する統計学的に有意な差は認められなかったとまとめた。

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