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2014/5/28

ASCOが非転移性ホルモン受容体陽性乳癌患者に対する最長10年のタモキシフェン投与を推奨

大西淳子=医学ジャーナリスト

 米臨床腫瘍学会(ASCO)は、2014年5月27日、乳癌の診療ガイドラインのうち、ステージI-IIIでホルモン受容体陽性の患者に対する術後ホルモン療法の項目を更新したと発表した。

 乳癌の中で最も多く見られるのがホルモン受容体陽性の癌だ。患者全体の60-75%がエストロゲン受容体(ER)陽性で、それらのうちの65%がプロゲステロン受容体(PgR)も陽性だ。術後ホルモン療法は、ER陽性で/またはPgR陽性の女性のほぼ全てに適用でき、高い効果をもたらす。

 これまで、そうした患者には、タモキシフェンの5年投与が標準的に用いられてきた。が、ASCOの専門委員会は、ホルモン受容体陽性患者に対する最長10年までのタモキシフェン投与を推奨するに十分なエビデンスを見いだした。

 専門委員会は2010年から、関連する医学文献を対象に系統的レビューを行ってきた。今回の更新は、検討された5件の研究が与えた、タモキシフェンの投与期間に関する新たなデータを反映する。5件のうちの2件は、最も大規模で、追跡期間も長い無作為化試験で、タモキシフェンを5年間使用した乳癌患者に比べ10年間使用した患者には生存利益が見られること、10年使用群では再発リスクと対側乳癌リスクも低いことを示した。一方で、前回のガイドライン更新以降の文献に、アロマターゼ阻害薬の投与期間の延長に関する新たなエビデンスは見られなかった。

 ガイドラインに示された勧告の要点は以下の通り。

・ホルモン受容体陽性の乳癌と診断された、閉経前または閉経期の女性には、術後ホルモン療法としてタモキシフェンを5年間投与し、その後は、閉経しているかどうかに基づいて追加の治療を行う。引き続き閉経前であれば、タモキシフェンをさらに5年間投与し、閉経後であればタモキシフェンをさらに5年間投与するか、アロマターゼ阻害薬を5年間投与する。

・ホルモン受容体陽性の乳癌と診断された、閉経後の女性に対する術後ホルモン療法の選択肢は以下のとおり。タモキシフェンを10年間投与/アロマターゼ阻害薬を5年間投与/タモキシフェンを5年間投与し、その後アロマターゼ阻害薬を最長5年間投与/タモキシフェンを2-3年投与し、アロマターゼ阻害薬を最長5年間投与。

・閉経後の女性でタモキシフェンまたはアロマターゼ阻害薬に対して不忍容を示した患者には、代替となる術後ホルモン療法を提供する。アロマターゼ阻害薬を使用していたが5年未満で使用を中止した患者には、その時点から当初予定されていた5年後までタモキシフェンを投与/タモキシフェンを2-3年使用していた女性には、その時点から最長5年間アロマターゼ阻害薬を投与する。

 ガイドラインは臨床医が直面する問題にも触れている。術後ホルモン療法を延長して受ける患者と主治医が、ホルモン療法を最長10年間受けることのリスクや、想定される有害事象と、得られる利益のバランスについて話し合うことは大切だ。タモキシフェンを使用した女性の多くが有害事象を経験、症状は持続するが、ASCOが検討対象にした臨床試験では、使用期間を延長しても新たな、または想定外の有害事象は発生しなかった、という情報は、患者とのコミュニケーションに役立つだろう。

 「Adjuvant Endocrine Therapy for Women with Hormone Receptor-Positive Breast Cancer: American Society of Clinical Oncology Clinical Practice Guideline Focused Update」と題されたガイドラインは同日、Journal of Clinical Oncologyで公開された。

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