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2014/5/8

治療歴がある進行膵癌患者に対するMM-398がフェーズ3試験で主要評価項目を達成

森下紀代美=医学ライター

 米Merrimack Pharmaceuticals社は、5月1日、ゲムシタビンによる治療歴がある転移を有する膵癌患者を対象としたフェーズ3試験(NAPOLI-1)において、主要評価項目である全生存期間(OS)は5-FUとロイコボリンの併用療法で4.2カ月だったのに対し、イリノテカンのナノリポソーム化製剤MM-398を追加することで6.1カ月と、1.9カ月延長し、ハザード比は0.67(p=0.012)で統計学的に有意な改善を示したことを発表した。同試験では、無増悪生存期間(PFS)もMM-398の追加により有意に改善した。

 MM-398は「nal-IRI」としても知られ、遊離型イリノテカンと比べて血液中での循環が増すことが臨床で証明されている。イリノテカンは生体内で活性代謝物SN-38に変換され、SN-38はDNAの転写と複製に関与する必須の酵素I型トポイソメラーゼを阻害し、細胞死を促進する。MM-398は、米食品医薬品局(FDA)やその他の規制当局の承認は得られていないが、FDAおよび欧州医薬品庁(EMA)は、転移を有する膵癌に対するオーファンドラッグに指定している。

 NAPOLI-1試験は、ランダム化、非盲検のフェーズ3試験で、ゲムシタビンベースの治療を受けた転移を有する膵癌患者を対象として、MM-398の2つのレジメンを評価した。5-FU、ロイコボリンとの併用療法では、MM-398は80mg/m2の用量で2週毎に投与した。一方、MM-398の単剤療法では、120mg/m2の用量で3週毎に投与した。対照群では5-FUとロイコボリンを併用した。同試験では、北米、南米、欧州、アジア、オーストラリアの100を超える施設から登録された417人が3群にランダムに割り付けられ、主要評価項目をOSとして、MM-398の各群と対照群とを比較した。

 MM-398を追加した群で多く観察されたグレード3以上の有害事象は、好中球減少(14.5%)、疲労感(13.7%)、下痢(12.8%)、嘔吐(11.1%)だった。敗血症(3.4%)は唯一発現した重篤で致命的な事象であり、MM-398を追加した群では対照群よりも2%以上多く発現した。

 MM-398の単剤療法ではOSは4.9カ月となり、対照群の4.2カ月と比べて有意差を示すことは出来なかった(ハザード比0.99、p=0.942)。全体的に、MM-398の単剤療法の用量と投与スケジュールでは、MM-398を5-FUとロイコボリンと併用した場合と比べて、有害事象が多く観察された。

 NAPOLI-1試験の詳細は、今年6月にスペイン・バルセロナで開催されるEuropean Society for Medical Oncology World Conference on Gastrointestinal Cancerで発表される予定だ。Merrimack Pharmaceuticals社は、MM-398の併用療法について、2014年中にFDAに対し新薬承認申請を行いたいとしている。

 MM-398については、現在、転移を有する大腸癌患者を対象としたフェーズ2試験、ユーイング肉腫および神経膠腫の患者を対象としたフェーズ1試験などでも、評価が進められている。

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