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2014/5/1

アキシチニブは局所進行・転移性腎細胞癌に対するファーストライン治療として重篤な有害事象が少なく投与しやすい【泌尿器科学会2014】

中西美荷=医学ライター

 現在、腎癌診療ガイドラインでは、サイトカイン治療歴、チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)治療歴を有する転移性進行腎癌に対するセカンドラインとして推奨されているアキシチニブだが、ファーストラインとして用いた場合においても、重篤な有害事象が少なく、投与しやすい薬剤であることが示唆された。弘前大学大学院医学研究科泌尿器科学講座の古家琢也氏が、4月24日から4月27日まで神戸市で開催された第102回日本泌尿器科学会で、15例の使用経験を報告した。

 アキシチニブは、国際共同フェーズ3試験AXISでソラフェニブと比較して無増悪生存期間(PFS)の有意な延長が認められているほか、国内フェーズ2試験でも、腫瘍縮小率30%以上の症例割合が57.8%という良好な抗腫瘍効果が報告され、有害事象も比較的軽微であるなど、セカンドラインとしての有用性が広く認識されている。ファーストラインでの使用については、現状では十分なエビデンスが得られるには至っていないが、国際共同フェーズ2試験における日本人グループでの有用性なども報告されている。

 古家氏らは、全身状態が著しく悪い症例への適応で良好な結果を得たことを契機に、局所進行・転移性腎細胞癌に対するファーストラインでのアキシチニブ使用を進めており、これまでに15例を治療してきた。

 対象の年齢中央値は73(39-83)歳、組織型は淡明細胞型が14例、未分化癌が1例。PSは0が12例、1が2例、2が2例、3が1例で、古家氏は、全身状態が良好な患者のみでなく、悪い患者においても、使用可能だったことを指摘した。

 腎癌診断後の観察期間は中央値で17カ月(2-189カ月)。投与量は10mgが12例、10mgから6mgに減量したものが2例、10mgから6mg、4mgを経て2mgにまで減量したものが1例だった。

 標的病変(のべ)は、原発11例、肺5例、リンパ節5例、骨2例、下大静脈腫瘍血栓2例。近接効果はPR 4例、SD 10例、PD 1例で、縮小率の中央値は17(0-64)%だった。PFS中央値は8.2か月で、1年PFS率は77.1%。

 高血圧7例、蛋白尿3例、甲状腺機能低下症1例、貧血1例、倦怠感1例を認めたが、すべてグレード2であり、同科では、今のところグレード3の有害事象は経験していないという。

 同科でファーストラインでの使用を進めるきっかけとなった1例は、手術目的で他院から転院、入院したものの、手術3日前の再検討でPSが3にまで悪化し、かつ高カルシウム血症を認めたことから手術中止となった73歳の男性。アキシチニブによる腫瘍縮小効果は35%で、全身状態がPS 0にまで改善し、根治的左腎摘除術を施行できた。病理診断は淡明細胞型のpT1b腫瘍で、腹膜との癒着を認めたため、一部腹膜も含めて摘除したという。

 続いて提示されたのは、1998年に右腎摘除術を施行した82歳の女性の1例(淡明細胞型pT3a)。2012年に術後フォローアップのCT画像でリンパ節転移、肺転移を疑い、CT下生検を施行したところ、転移性腎腫瘍と診断された。入院での治療を拒否したため、外来でアキシチニブの投与を開始したという。投与2カ月で縮小率63.8%という著明な腫瘍縮小効果を認めたが、投与18か月でリンパ節の再増大を認め、スニチニブに切り替えた。

 古家氏はアキシチニブについて重篤な有害事象が少なく、使いやすい薬剤だとの見解を示した一方で、「少数例からの印象だが、アキシチニブ後のセカンドラインとしてスニチニブを用いた場合のスニチニブ投与可能期間は最大6か月程度であり、アキシチニブ後の治療選択が難しい可能性もある」と述べ、逐次治療の順序や切り替えのタイミングなど、問題も残されていることを示唆した。

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