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2014/5/1

化学療法未治療転移性去勢抵抗性前立腺癌患者でも国内フェーズ2でアビラテロンが良好な有効性と安全性示す【泌尿器科学会2014】

中西美荷=医学ライター

 化学療法未治療の転移性去勢抵抗性前立腺癌(mCRPC)患者を対象とする多施設共同非盲検単一群フェーズ2試験JPN-201において、アビラテロン酢酸エステル(AA)が海外臨床試験と同等の良好な有効性と安全性を示した。化学療法前に使用可能な新規抗アンドロゲン薬として、国内承認に期待が高まっている。4月24日から4月27日まで神戸市で開催された第102回日本泌尿器科学会で、近畿大学医学部泌尿器科の植村天受氏が報告した。

 アビラテロン酢酸エステル(以下アビラテロン)は、アンドロゲン合成酵素であるCYP17A1の選択的かつ不可逆的な阻害剤で、すべてのアンドロゲン産生臓器におけるアンドロゲン産生を抑制することが可能である。化学療法未治療患者への投与では、化学療法前に前立腺癌組織内で高発現しているアンドロゲン受容体の作用抑制を狙った新規薬剤である。

 JPN-201では、化学療法未治療mCRPC患者に対し、1日1回、食前1時間以前かつ食後2時間以降にアビラテロン1000mg/日を経口投与し、プレドニゾロン5mg1日2回経口投与を併用した。治療は同意撤回、疾患進行または許容できない毒性発現まで継続し、主要評価項目として治療開始12週(サイクル3)におけるPSA奏効率(PSA値がベースラインから50%以上低下した患者割合)を検討した。

 56例をスクリーニングし、不適格8例を除く48例を登録。アビラテロンの投与期間中央値は9.18(1.1-12.0)カ月、治療サイクル数は10.0(2-13)サイクルだった。

 患者の年齢中央値は70.0(46-89)歳、初診から治験薬投与までの期間中央値は2.10(0.6-16)年。初診時のGleason スコアは、7未満なし、7が4例(8.3%)、8以上が43例(89.6%)、不明1例(2.1%)だった。前立腺癌に対する前治療は、放射線療法が13例(27.1%)、手術が5例(10.4%)、内分泌療法48例(100%)で、植村氏によれば、内分泌療法の内容は複合アンドロゲン阻害(CAB)療法が中心だった。スクリーニング時に認められた転移部位は、骨が44例(97.1%)でもっとも多く、リンパ節が19例(39.6%)、前立腺癌ではまれな肝臓への転移も1例(2.1%)で認めた。

 試験開始前のPSA中央値は31.4(6.0-469)で、48例中29例(60.4%)がPSA奏効(確定)を達成した。PSA上昇を認めた患者も少数例存在した。PSA無増悪生存期間(PSA-PFS)中央値は未達で、6か月PSA-based PFS率のハザード比は0.703(90%信頼区間:0.578-0.797)。

 もっとも頻度の高い有害事象(全グレード)は肝毒性で、21例(43.8%)に認めた。有害事象の大部分はグレード1または2だったが、グレード3の肝機能異常が5例(10.4%)にみられ、1例はアビラテロンを減量、3例は投与中止を余儀なくされた。これら肝毒性の多くは、投与開始後、サイクル3までの比較的早期に発現した。肝毒性以外では、低カリウム血症7例(14.6%)、高血圧3例(6.3%、グレード3が1例2.1%)、骨粗鬆症4例(8.3%)、心臓障害として不整脈2例(4.2%)、その他の心臓障害1例(2.1%)、貧血2例(4.2%)、白内障1例(2.1%、グレード3)、体液貯留/浮腫が1例(2.1%)など。

 植村氏は、「有効性はほぼ同条件で行われた海外臨床試験COU-AA-302試験(PSA奏効率61.5%)と、ほぼ同等だったと考えられる。安全性についても海外臨床試験と類似していた。肝機能異常の頻度は海外臨床試験(グレード3/4の肝機能検査値異常は5%/3%)よりやや高値だったが、肝機能異常で評価可能症例は、正常またはベースライン値に回復し、本剤による肝機能異常は臨床的に管理可能だと考えられた」と述べ、同試験によって化学療法未治療の日本人mCRPC患者に対するアビラテロンの有効性が示され、安全性および忍容性も良好であったと結論づけた。

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