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2014/5/1

化学療法既治療の転移性去勢抵抗性前立腺癌に対するアビラテロン国内フェーズ2でのPSA奏効率は約30%

中西美荷=医学ライター

 ドセタキセルを含む化学療法既治療の転移性去勢抵抗性前立腺癌(mCRPC)患者を対象とする多施設共同非盲検単一群フェーズ2試験JPN-202における、アビラテロン酢酸エステル(AA)のPSA奏効率は28.3%で、海外臨床試験と同様の有効性が示された。安全性についても海外臨床試験と類似の成績だったが、日本人では肝機能異常の頻度がやや高いこともわかった。4月24日から4月27日まで神戸市で開催された第102回日本泌尿器科学会で、横浜市立大学大学院医学研究科泌尿器病態学の上村博司氏が発表した。

 アビラテロン酢酸エステル(以下アビラテロン)は、アンドロゲン合成酵素であるCYP17A1(17αヒドロキシラーゼおよび17, 20リアーゼ)の選択的かつ不可逆的な阻害剤である。前立腺腫瘍では、精巣からのテストステロン、副腎由来のアンドロゲン、前立腺組織での合成という3部位でのアンドロゲン産生が、主にその増殖に関与するとされるが、アビラテロンは、これら3部位を含め、すべてのアンドロゲン産生臓器におけるアンドロゲン産生を抑制することが可能である。ただし、CYP17A1の17aヒドロキシラーゼ阻害はデオキシコルチコステロン濃度を上昇させ、副作用として高血圧、低カリウム血症、浮腫が発現するため、プレドニゾロンとの併用が必須とされる。

 JPN-202試験の対象では、化学療法既治療の前立腺癌患者47例に対し、アビラテロン1000mgを1日1回食事の1時間以上前かつ2時間以降に経口投与し、プレドニゾロンは5mgを1日2回、経口投与した。治療は同意撤回、疾患進行または許容できない毒性発現まで継続し、主要評価項目として治療開始12週(サイクル3)におけるPSA奏効率(PSA値がベースラインから50%以上低下した患者割合)を検討した。

 アビラテロンの投与期間中央値は8.28(0.2-12.0)カ月、治療サイクル数は9.0(1-13)サイクルだった。

 患者の年齢中央値72.0(51-83)歳、初診から治療薬投与までの期間の中央値は4.38(1.6-15.3)年。初診時のGleasonスコアは、7未満なし、7が8例(17.0%)、8以上が37例(78.7%)、不明が2例(4.3%)と、8以上が約80%を占めていた。スクリーニング時に認められた転移部位は骨が44例(93.6%)ともっとも多く、肝臓2例(4.3%)、リンパ節17例(36.2%)、肺5例(10.6%)、その他3例(6.4%)だった。前立腺癌に対する前治療は、放射線20例(42.6%)、手術5例(10.6%)、化学療法47例(100%)、内分泌療法47例(100%)、その他45例(95.7%)。

 治療開始前のPSA中央値は143.0(7.2-1450.0)ng/mLで、46例中13例(28.3%)がPSA奏効(確定)を達成した。またPSA無増悪生存期間(PSA-PFS)中央値は108.5(85.0-114.0)日で、6か月PSA-based PFS率は0.217(90%信頼区間:0.127-0.323)だった。

 もっとも高頻度で認めた有害事象は肝毒性で、11例(23.4%)。グレード3の肝機能異常を4例(8.5%)に認め、4例とも減量または投与中断を要したが、投与中止例はなかった。こうした肝毒性の多くは、サイクル3までの投与開始後比較的早期に発現した。肝毒性以外では、低カリウム血症4例(8.5%)、体液貯留浮腫3例(6.4%)、高血圧3例(6.4%)、骨粗鬆症2例(4.3%)、心臓障害として不整脈2例(4.3%)、貧血3例(6.4%、グレード3が2例4.2%)、白内障1例(2.1%)などがみられたが、多くはグレード1または2だった。

 上村氏は、二重盲検プラセボ対照ランダム化フェーズ3試験COU-AA-301のPSA奏効率29.1%、グレード3/4の肝機能検査異常3%/1%未満という成績に触れ、JPN-202では海外臨床試験と同様の奏効率が得られ、安全性についても、海外臨床試験と類似の成績だったと指摘した。肝機能異常の頻度がやや高かった点については、評価可能例は正常または試験開始前値に回復し、アビラテロンによる肝機能異常は臨床的に管理可能だと説明。「本試験によって、化学療法既治療の日本人mCRPC患者におけるアビラテロンの有効性、アビラテロンとプレドニゾロン併用の安全性および忍容性が示された」と結論づけた。

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