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2014/5/1

前立腺全摘術後のPSA再燃に対するサルベージ放射線療法の有効性を確認【泌尿器科学会2014】

八倉巻尚子=医学ライター

 前立腺全摘術後のPSA再燃(生化学的再発)は2割強に見られたが、サルベージ放射線療法を行うことで約9割の患者でPSA再燃が抑制され、良好な治療成績が得られることが確認された。4月24日から27日まで神戸市で開催された第102回日本泌尿器科学会総会で、大津赤十字病院泌尿器科の小倉啓司氏らが発表した。

 対象は、前立腺全摘術の後、2年以上経過観察が可能だったpN0M0の127人。術後2回連続でPSA≧0.2ng/mLまたはPSA≧0.4ng/mLとなった時点でPSA再燃と判定した。画像診断で転移がないことが確認された患者に対し、サルベージ放射線療法を行った。

 127人の平均年齢は67歳、iPSA中央値は9.7ng/mL、平均観察期間は3.6年。pT2は84人、pT3は43人で、断端陽性は28人だった。

 PSA再燃は30人(23.6%)に認められ、うちpT2は14人、pT3は16人、断端陽性は11人だった。また統計的にもpT3(p=0.0099)、断端陽性(p=0.0027)でPSA再燃例が有意に多かった。

 ただし、pT3症例43人のうち、PSA再燃が見られなかった患者は27人(62.8%)、断端陽性例では28人中17人(60.7%)であり、「前立腺全摘術のpT3症例、断端陽性例でも半数以上でPSA再燃を認めなかった」とした。

 サルベージ放射線療法は、PSA再燃が認められた30人中29人に施行された。三次元原体照射(3D- CRT)で前立腺床に66Gyを照射した。

 その結果、サルベージ放射線療法後に再燃が見られなかった患者は26人(89.7%)だった。再燃を来した患者は3人(10.3%)で、pT2cが1人、pT3aが2人で、断端陽性例が3人であった。

 PSA非再燃率は、前立腺全摘術後では2年で83.2%、5年で74.7%であり、サルベージ放射線療法後では2年で96%、5年で82.7%であった。

 サルベージ放射線療法によるグレード3以上の有害事象はなかった。また観察期間中に癌死はなく、他因死が4人だった。

 以上のことから、「サルベージ放射線療法により89.7%の患者はPSA再燃をきたしておらず、治療成績は良好だった。サルベージ放射線療法開始時点のPSA値が重要と思われる」とした。

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