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2014/4/30

PSA監視療法でQOL障害はほとんどない、PRIAS-JAPANの3年間の結果【泌尿器科学会2014】

八倉巻尚子=医学ライター

 PSA監視療法を行っている早期前立腺癌患者において、開始時のQOLは国民標準値よりも良好であり、そのQOLは3年後までほぼ維持されていることが、多施設共同前向き研究PRIAS-JAPANの3年間の調査で明らかになった。4月24日から27日まで神戸市で開催された第102回日本泌尿器科学会総会で、香川大学医学部泌尿器科の杉元幹史氏らが発表した。

 早期前立腺癌を対象に、PSA監視療法を検証する国際的な研究PRIAS(Prostate cancer Research International: Active Surveillance)が、欧州を中心に17カ国で実施されている。2006年12月から2014年4月までに4000人以上が登録している。日本も2010年1月からPRIAS-JAPANとして参加し、現在36施設で実施されている。

 今回はQOLについて報告された。対象は、2010年1月から2013年12月までにPRIAS-JAPANに登録した患者386人。登録時と1年目、2年目、3年目にSF-8を用いて健康関連QOLの調査を行った。

 年齢中央値は68歳(45-87歳)、iPSA中央値5.2ng/mL、前立腺体積の中央値37.7cc、PSA density(PSAD)中央値0.15ng/mL/cc、癌陽性コアが1本の患者が72.3%、2本が27.7%、Gleason scoreが5の患者が1.6%、6が98.4%、臨床病期T1cの患者が90.7%、T2が9.3%だった。

 QOL評価できた患者は登録時に354人、1年目は208人、2年目は69人、3年目は29人だった。

 この結果、SF-8の下位尺度8項目(身体機能、日常役割機能<身体>、体の痛み、全体的健康感、活力、社会生活機能、日常役割機能<精神>、心の健康)について、登録時のQOLは、SF-8で設定されている「国民標準値」より有意に高かった。

 1年目、2年目でも、下位尺度8項目すべてで、国民標準値より良好だった。3年目には身体機能、日常役割機能<身体>、社会生活機能の項目で、国民標準値より低かったが、統計的な有意差はなかった。また身体的サマリースコアおよび精神的サマリースコアでも同様の傾向が示された。このため「短期の観察ではQOL障害はほとんどない」とした。

 ただし、登録時のQOLで、良好群と不良群に層別化したところ、良好群では身体的サマリースコアと精神的サマリースコアが登録時に比べて、1年目と2年目で悪化する傾向が見られた。

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