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2014/4/30

サイトカイン治療抵抗性mRCCの日本人患者でアキシチニブの有効性と長期の忍容性を確認、国内フェーズ2試験の最終解析結果【泌尿器科学会2014】

森下紀代美=医学ライター

 サイトカイン治療抵抗性で転移を有する腎細胞癌(mRCC)の日本人患者に対し、アキシチニブは3年を超える全生存期間(OS)を示し、有効性と長期の忍容性があることが、国内で行われたフェーズ2試験の最終解析から明らかになった。4月24日から27日まで神戸市で開催された第102回日本泌尿器科学会総会で、岩手医科大学医学部泌尿器科学講座の小原航氏が発表した。

 アキシチニブは、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)1、2、3を強力かつ選択的に阻害する第二世代の血管新生阻害薬。AXIS試験では、mRCC患者に対するセカンドライン治療として、アキシチニブはソラフェニブと比べて無増悪生存期間(PFS)を有意に改善したことが示された。

 小原氏らは、日本人のサイトカイン治療抵抗性mRCC患者を対象とした国内のフェーズ2試験において、生存調査を含むアキシチニブの有効性と安全性の最終解析を行った。

 同試験は、単群、非盲検、多施設共同のフェーズ2試験で、主要評価項目は客観的奏功率、副次的評価項目はPFS、全生存期間(OS)、安全性、可溶性VEGFR(sVEGFR)-1、2、3などのバイオマーカーだった。

 対象は、淡明細胞型のmRCCと組織学的に確認され、ファーストライン治療のサイトカイン療法に抵抗性または不耐容の患者で、腎摘除術を受けており、ECOG PSは0または1、適切な腎機能(クレアチニン値1.5mg/dL以下またはクレアチニンクリアランス60mL/分以上、尿蛋白が定性検査で2+未満または24時間の蓄尿で2g未満など)を有し、血圧は140/90mmHg以下などの条件を満たすこととした。降圧薬でコントロールされていれば登録可とした。

 アキシチニブは1回5mg、1日2回経口投与し、RECIST v1.0の評価による進行、忍容不能な毒性の発現、同意の撤回のいずれかまで継続した。患者の忍容性に応じて用量は適宜増減した。腫瘍は8週毎にRECIST v1.0で評価し、腫瘍縮小効果は効果判定委員会が判定した。有害事象の重症度評価にはCTCAE v3.0を用いた。

 対象は64人となり、年齢中央値は63歳(範囲:34-80)、男性は44人、ECOG PS 0の患者が89%だった。淡明細胞型が97%を占めた。前治療のサイトカイン療法の内訳は、インターフェロンが78%、インターロイキン-2が5%、併用が17%で、サイトカイン療法の治療期間の中央値は244日だった。MSKCCリスク分類では、favorableが16%、intermediateが77%、poorが7%だった。

 最終解析時におけるアキシチニブの投与期間の中央値は14.2カ月(範囲:0.4-56.1)だった。

 効果判定委員会による評価では、部分奏効(PR)が33人で得られ、奏効率は52%となった。安定状態(8週以上)は28人(44%)だった。PFS中央値は11.0カ月(95%信頼区間:9.2-12.0)となった。治験責任医師による評価では、奏効率は56%、PFS中央値は12.0カ月(95%信頼区間:9.2-14.8)だった。OS中央値は37.3カ月(95%信頼区間:28.6-49.9)となり、3年超を示した。

 後治療が行われたのは59人(92%)で、レジメン数の範囲は1-10だった。多く使用された薬剤は、ソラフェニブ、スニチニブ、エベロリムスなどの順だった。

 MSKCCリスク分類で分けたOS中央値は、favorable群で33.8カ月、intermediate群で41.3カ月、poor群で17.4カ月となり、intermediate群とfavorable群、poor群とfavorable群の間に有意差はなかった。

 1サイクル目の拡張期血圧で分けたOS中央値は、90mmHg以上の群で41.3カ月、90mmHg未満の群で30.8カ月となり、有意差はなかったが、90mmHg以上の群で良好な傾向を認めた。

 sVEGFR-2の変化について、ベースラインから2サイクル目の1日目までの差でみると、中央値は−33.5%となった。sVEGFR-2の変化がこの中央値よりも低下した群のOS中央値は47.0カ月となり、中央値よりも高かった群の34.6カ月と比べて良好な結果だった(ハザード比1.994[95%信頼区間:1.061-3.748]、p=0.0289)。sVEGFR-2はアキシチニブによる治療のOSの予測因子となる可能性があると考えられた。

 治療に関連する有害事象で多く観察されたのは、高血圧(全グレード88%、グレード3/4 73%)手足症候群(75%、22%)下痢(66%、5%)、蛋白尿(63%、9%)、疲労(55%、6%)、発声障害(53%、0%)、甲状腺機能低下症(48%、0%)などだった。多くはコントロール可能だった。

 小原氏は「最終解析において、アキシチニブの良好な有効性と長期間の投与でも忍容性は十分であることが示された」と結んだ。

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