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2014/4/30

CRPCのドセタキセル投与に伴う重度の好中球減少症の発生予測因子は高齢と前立腺癌に対する放射線治療歴【泌尿器科学会2014】

森下紀代美=医学ライター


 去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)患者において、年齢75歳以上および前立腺癌に対する放射線治療歴は、ドセタキセル投与に伴う高度好中球減少症(Severe Neutropenia:SN)、発熱性好中球減少症(Febrile Neutropenia:FN)の独立した予測因子であることが、レトロスペクティブな検討から示された。4月24日から27日まで神戸市で開催された第102回日本泌尿器科学会総会で、慶應義塾大学医学部泌尿器科学教室の茂田啓介氏が発表した。

 去勢抵抗性前立腺癌患者に対するドセタキセル治療は、好中球減少症による有害事象を引き起こす可能性があり、時にFNから生命を脅かす重大な合併症を招くことがある。

 茂田氏らは、ドセタキセル治療でのSNまたはFNの発生の予測因子について解析し、ドセタキセル投与によるFNの発生を予防する一助になることを目的として研究を行った。

 対象は、2008年1月から2013年3月までに同院および関連施設でドセタキセル治療を行ったCRPC患者のうち、継続的に3コース以上の投与が可能だった95人、合計258コースとした。

 患者には原則的に入院下でドセタキセル75mg/m2を3-4週毎に投与し、SN、FNの発生の有無を調査し、各臨床パラメータと比較した。SNはグレード4の好中球減少症(好中球絶対数[ANC]≦500)、FNはグレード3以上の好中球減少(ANC≦1000)かつ38.3度以上の発熱を満たす状態と定義した。全例に対し、ドセタキセル投与前に骨転移の有無を骨シンチグラフィーによる画像診断で評価した。

 95人の平均年齢は72.6±6.4歳、平均BMIは23.1±3.8、平均血清PSA値は135.4±290.9ng/mLだった。高血圧、高脂血症、糖尿病、慢性呼吸器疾患の基礎疾患を1つ以上確認した患者は95人中55人だった。70人(73.7%)が骨転移を有し、骨転移の広がりを示すEOD(Extent of disease)gradeで3以上の患者が20人(21.1%)含まれた。前治療の内訳は、6人(6.3%)が手術療法、25人(26.3%)が放射線外照射療法、95人(100%)が内分泌療法だった。前治療からドセタキセル投与開始までの平均期間は54.2±45.5カ月だった。

 ドセタキセル投与初回3コースにおいて、95人中69人(72.6%)にSN、9人(9.5%)にFNを認めた。コース数では258コース中123コース(47.7%)にSN、11コース(4.3%)にFNを認めた。

 患者解析では、単変量解析の結果、年齢75歳以上、基礎疾患の数が1または2以上、放射線治療歴が、SNまたはFNと有意差を認めた。SN単独では、年齢75歳以上、基礎疾患の数が1または2以上、放射線治療歴が、FN単独では、年齢70歳以上、基礎疾患の数が2以上、放射線治療歴が有意差を認めた。投与前の血液検査値や骨転移の有無および程度は有意な関連を認めなかった。

 多変量解析では、年齢75歳以上(ハザード比=5.77[95%信頼区間:1.73-19.2]、p=0.004)、放射線治療歴(ハザード比=14.50[95%信頼区間:1.80-116.9]、p=0.012)が、SNまたはFNの発生における独立した予測因子となった。SN単独、FN単独においても独立した予測因子だった。年齢および放射線治療歴の有無は、化学療法中の好中球減少症の累積発生リスクとも有意な関連を認めた。

 コース解析では、単変量解析の結果、年齢75歳以上、基礎疾患の数が1以上、PS 2以上、放射線治療歴、前回コースでのSNの既往が有意差を認めた。多変量解析では、放射線治療歴、前回コースでのSNの既往が独立した予測因子となった。

 茂田氏は「外来での化学療法施行に際し、これらの有害事象の発症を念頭においた注意深いフォローの必要性が示唆された。好中球減少症が最も起こりやすい時点での短期間の入院、通院の場合は抗菌薬の処方、さらに長期持続型のG-CSF製剤の適応の可能性などを考えている」とした。

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