このページの本文へ

がんナビ

がんナビについて

がん患者さんとその家族のために、がんの治療や患者さんの日々の生活をナビゲートします。

がん種から情報を探す

  • 乳がん
  • 肝がん
  • 大腸がん
  • 腎がん
  • 胃がん
  • 肺がん
  • 食道がん
  • 前立腺がん
  • 子宮頸がん
  • 膵がん
  • 卵巣がん
  • その他のがん

News ニュース

ニュース一覧へ

新着一覧へ

ニュース

2014/4/28

前立腺癌に対する1年間の内分泌療法で脂質代謝に変化【泌尿器科学会2014】

八倉巻 尚子=医学ライター

 前立腺癌に対し、1年間の内分泌療法によって、体重だけでなく、脂質代謝も変化することが、みちのく泌尿器癌研究グループによる前向き観察研究で明らかになった。また皮下脂肪や内臓脂肪は増加し、逆に筋肉量は減る傾向も確認された。4月24日から27日まで神戸市で開催された第102回日本泌尿器科学会総会で、東北大学大学院医学系研究科泌尿器科学の三塚浩二氏らが発表した。

 研究では、2010年11月から2013年9月までに、新規に1年以上同じ種類の内分泌療法を行う予定の前立腺癌患者を登録し、脂質代謝に関わる項目を3カ月ごとに調べた。内分泌療法はLH-RHアゴニスト単独、あるいはLH-RHアゴニストとビカルタミド併用とし、治療法の選択は主治医が判断した。

 217人が登録された。解析対象は2013年9月までに1年間の内分泌療法が終了した103人。年齢中央値は74歳、治療前PSA中央値は16.7ng/mLだった。病期はBが48人、Cが29人、Dが26人で、LH-RHアゴニスト単独による治療が39人、ビカルタミド併用が64人だった。

 1年間の内分泌療法により、体重は平均で3.8%、腹囲は4.1%、BMIは3.8%増加した。総コレステロールは9%、中性脂肪は21%、LDLコレステロールは10.8%、HDLコレステロールは5%増加した。空腹時血糖は4.6%、HbA1cは1.7%増加、ヘモグロビンは5.5%低下した。3カ月毎の変化割合は、特に前半6カ月の変化が顕著であった。

 またCTによる脂肪量の測定も行った。臍レベルで皮下脂肪と内臓脂肪の面積を測定した結果(46人)、内臓脂肪が32.4%、皮下脂肪が35.4%増加していた。一方、筋肉量として、臍レベルで腸腰筋の面積を測定したところ(40人)、7.9%減少していた。

 さらに、体重が3%以上増えた群(20人)と3%未満の増加だった群(20人)に分けたところ、体重の増加が3%未満の群のほうが有意に腸腰筋面積は減少した(p=0.02)。

 これらの結果から、三塚氏は「1年間の内分泌療法で、日本人でも脂質代謝に大きな変化を与える可能性があり、適切なモニタリングが必要である」と述べた。また体重の増加が顕著でない患者でも、筋肉量の低下が起こっている可能性に注意が必要であるとした。

この記事を友達に伝える印刷用ページ