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2014/4/25

去勢抵抗性前立腺癌に対する間欠的ドセタキセル療法、QOLを維持しつつ継続投与と同等の効果【泌尿器科学会2014】

中西美荷=医学ライター

 去勢抵抗性前立腺癌に対する間欠的ドセタキセル療法は、QOLを維持しつつ、長期生存を得られる可能性があることが明らかになった。東北3大学とその関連病院で実施された多施設共同前向き試験で示されたもので、4月24日から4月27日まで神戸市で開催されている第102回日本泌尿器科病学会で、秋田大学医学部泌尿器科の成田伸太郎氏が発表した。

 ドセタキセルは去勢抵抗性前立腺癌に対する標準的治療となっているが、至適投与回数や投与方法は確立されていない。間欠的化学療法は、乳癌や大腸癌においては、大規模ランダム化比較試験で生存予後やQOLの改善への寄与が報告され、前立腺癌でも少数例での報告は散見されるが、これまで大規模試験は行われていない。成田氏らは今回、東北3大学とその関連病院において、去勢抵抗性前立腺癌患者に対する独自の間欠的ドセタキセル療法プロトコールを考案し、前向きに治療効果を検討した。

 対象は、2009年3月から2013年6月までに秋田大学、東北大学、弘前大学およびその関連病院で去勢抵抗性前立腺癌と診断され、ドセタキセル治療を予定した120例。28日を1サイクルとするドセタキセル(70mg/m2、第1日目投与)による治療を、3サイクル1コースとして実施し、その後、休薬。PSA低下もしくは臨床効果を認めた患者で、PSAが治療前値を超えるか、臨床増悪した場合、再び同コースを施行。これを繰り返した。プレドニゾロン10mgを併用し、骨転移症例に対しては、ゾレドロン酸およびデノスマブを併用した。投与開始12週までPSA低下を認めない場合および臨床増悪を認めた場合は、治療無効と判断して本プロトコールを中止した。

 年齢中央値は72(60-87)歳。治療前PSAの中央値は37.5(0.25から6702)ng/mLだった。1コース目の最大効果は、50%PSA奏効率が45.0%(54/120例)、30%PSA奏効率が60.8%(73/120例)で、30.0%(36例)では75%以上のPSA低下、24.2%(29例)ではPSA悪化を認めた。測定可能病変の腫瘍縮小効果は、PRが11.1%(5/45例)、SD75.6%(34/45例)、PD13.3%(6/45例)。

 1コース未完遂は15例(12.5%)、間欠治療施行例は59例(49.2%)で、平均休薬期間は1コース後が5.9カ月、2コース後が3.3カ月(実施24例)、3コース後以降が3.5カ月(実施14例)だった。

 平均観察期間17カ月で、癌死33例(27.5%)、他因死5例(4.1%)、本プロトコール継続中は55例(45.8%)、プロトコール継続期間中央値は18.4カ月だった。ドセタキセル投与開始後の生存期間中央値は35カ月、2年生存率は67.2%で、多変量解析では、術前のECOG-PSとPSA100ng/mL以上が、独立した予後因子だった。

 CTCAE グレード3以上の副作用が59.2%に認められ、間質性肺炎と放射線療法併用による消化管穿孔での死亡が各1例認められた。癌特異的QOL尺度であるEORTC QLQ-C30で調査したQOLスコアは、治療前、1コース終了時、2コース目開始時において、有意な変化を認めなかった。

 成田氏は、「今回の成績は、既報のドセタキセル継続投与の成績と比較しても遜色のないものだった。去勢抵抗性前立腺癌患者では、間欠的ドセタキセル療法によって、QOLを維持しつつ長期生存を得られる可能性があり、ドセタキセル投与方法の有用な選択肢のひとつになると考えている。試験としては、今回の報告で終了とするが、実臨床で同プロトコール実施を継続するとともに、今後、ドセタキセル継続投与を行っている施設の成績との比較などを行っていきたい」と述べた。

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