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2014/4/25

浸潤性膀胱癌に対しGC療法併用放射線療法による膀胱温存療法は高い制癌効果【泌尿器科学会2014】

八倉巻 尚子=医学ライター

 筋層浸潤性膀胱癌に対し、抗癌剤併用放射線療法は根治的膀胱全摘術に匹敵する治療成績であり、特にゲムシタビンとシスプラチン併用療法(GC療法)との併用は高い制癌効果があり、副作用も忍容可能であることが明らかになった。4月24日から神戸市で開催されている第102回日本泌尿器科学会総会で、山口大学大学院医学系研究科泌尿器科学分野の長尾一公氏らが発表した。

 対象は、高齢や合併症のため根治的膀胱全摘術の適応とならなかった、あるいは膀胱温存を希望した筋層浸潤性膀胱癌患者72人。患者の平均年齢は69.6歳(46-94歳)、治療前の経尿道的膀胱腫瘍切除術(TURBT)でpT2以上であることが確認された。シスプラチン併用放射線療法を51人(シスプラチン併用群)、GC療法併用放射線療法を21人(GC併用群)に行った。

 シスプラチン併用群には、1サイクル14日として、シスプラチン70mg/m2を1日目に投与、これを3サイクル行った。照射線量の合計は48.6gyとした。GC併用群には、1サイクル7日として、ゲムシタビン300mg/m2、シスプラチン30mg/m2を1日目に投与、これを5サイクル行った。照射線量の合計は54Gyとした。

 抗癌剤併用放射線療法の後に、extensive TURBTを行って、治療効果判定した。フォローアップ期間は平均44.2カ月だった。

 この結果、膀胱温存療法による治療効果は、CRが41.7%、PRが55.6%だった。無増悪生存(PFS)は2年PFS率が71.6%、5年PFS率は66.1%、膀胱温存生存(BIS)は2年BIS率が68.9%、5年BIS率は51.8%、癌特異的生存(CSS)は2年CSS率が85.1%、5年CIS率が72.5%だった。

 治療法で比較すると、効果はシスプラチン併用群ではCRが29.4%、PRが70.6%、それに対してGC併用群ではCRが81%、PRが19%であった。しかし生存については2つの治療法の間で有意な違いは認められなかった。

 多変量解析では、治療効果(CR)が、その後の良好なPFS、BIS、CSSを予測する因子であることが示された。またstage cT3以上が、BISとCSSを悪化させる因子であった。

 GC療法による有害事象は、好中球減少が81%、血小板減少が52.4%、貧血が19%と骨髄抑制が高頻度に見られ、下痢も23.8%であったが、管理可能な範囲であった。

 以上のことから、「浸潤性膀胱癌に対するシスプラチン併用放射線療法、GC療法併用放射線療法による膀胱温存療法はいずれも、膀胱全摘術に比肩しうる有効な治療法で、中でもcT2症例に対して有効性が高い」とした。またGC療法併用はシスプラチン併用と比べて、高い膀胱温存率を示し、高齢者に対しても忍容可能だったとした。

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