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2014/4/25

欧州では膵癌による死亡率が男女ともに上昇する可能性

森下紀代美=医学ライター

 欧州の包括的な研究から、癌による死亡率は2014年以降低下するが、膵癌による死亡率は男女ともに上昇し、肺癌による死亡率は女性で上昇すると予測された。イタリアUniversita Degli Studi di MilanoのCarlo La Vecchia氏らが、4月24日付けのAnnals of Oncology誌電子版に発表した。

 イタリアとスイスの研究者らは、世界保健機関(WHO)のデータベースとEurostat(欧州連合統計局)から、人口と癌による死亡のデータを得て、欧州連合(EU)とそのうち人口の多い6カ国について、2014年の癌による死亡率を予測した。特に、男女ともに予後不良な傾向が示されている膵癌に着目した。

 その結果、EUの27カ国において、2014年の癌による死亡は、男性で74万2500人、女性で58万1100人と予測された。2009年と比べて、2014年は高齢者の増加により絶対数が増加しているものの、標準化死亡比は減少し、2009年は10万人当たり男性148.3、女性89.1、2014年にはそれぞれ138.1と84.7となり、男性で7%、女性で5%低下した。2009年と比べて、2014年の死亡率は、男性では肺癌で8%、大腸癌で4%、前立腺癌で10%低下すると予測された。一方、女性では乳癌で9%、大腸癌で7%低下するが、肺癌では8%上昇すると予測された。全体では、癌の死亡がピークとなった1988年と比べて、2014年の癌による死亡率は、男性で26%、女性で20%低下し、25万人の死亡が回避できるとされた。

 しかし、膵癌による死亡率は男女ともに上昇すると予測された。2014年の膵癌の標準化死亡比は、10万人当たり男性8.0、女性5.6となり、それぞれ4万1300人、4万1000人に上ると推測された。2000年から2004年の膵癌の標準化死亡比は、10万当たり男性7.6、女性5.0だったことから、Vecchia氏は「今世紀初頭と比べて、数は小さいが増加している。膵癌は診断から5年後の生存率が5%未満と予後不良であり、死亡の増加は膵癌の発生の増加と密接に関連する」と指摘した。

 膵癌の危険因子には、喫煙、肥満、糖尿病、過度のアルコール摂取、膵癌の家族歴がある。Vecchia氏は「これまでに膵癌に対する有望な治療法は得られていない。予防だけが唯一講じられる手段であり、まず禁煙し、適正な体重と糖尿病の管理を行う必要がある。しかし、タバコは膵癌のすべての原因の1/3未満にすぎず、他の原因を合わせても10%程度にしかならない。その他の原因を解明する必要がある」としている。

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