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2014/4/8

6カ月間のホルモン療法と放射線療法の併用で限局性前立腺癌男性の生存が改善

八倉巻尚子=医学ライター

 中リスクもしくは高リスクの限局性前立腺癌を有する男性において、放射線療法とホルモン療法(アンドロゲン除去療法)の併用により、予後が改善することが明らかになった。この成果は、第33回欧州放射線腫瘍学会(ESTRO)で発表された。

 臨床試験を実施したフランスGrenoble University HospitalのMichel Bolla氏は、「全生存期間に対する影響は長期のフォローアップを必要とするが、今回の結果は日常診療において考慮される必要がある」と述べている。さらに試験の結果から「3次元共形放射線療法は、強度変調かどうか、あるいは線量に関わりなく、再発リスクを有意に減少させるため、短期間のアンドロゲン除去療法と併用すべきであることが示された。このため、限局性前立腺癌で、増悪し転移するリスクが中リスクあるいは高リスクの男性では、この併用療法が治療のオプションの1つになる」とした。

 試験には14カ国37施設から、中リスクもしくは高リスクの早期前立腺癌の男性819人が登録した。患者は放射線療法単独群あるいは放射線療法とホルモン療法の併用群にランダム化された。ホルモン療法はLH-RHアナログ製剤を用い、1回目は照射の1日目に、2回目は3カ月後に皮下注射した。なおLH-RHアナログ製剤の投与でテストステロン値は低下するが、初回投与後に一時的にテストステロン値は上昇する。そのため初回投与15日前から、経口抗アンドロゲン剤(ビカルタミド50mg/日)を投与した。放射線療法は70Gy、74Gy、78Gyのいずれかを照射した。

 フォローアップ期間の平均は7.2年。その結果、治療を受けなかった9人を除き、放射線療法とホルモン療法の併用による治療を受けた403人では、放射線療法単独の407人に比べて、有意に再発および増悪が少なかった。PSAで評価される生化学的増悪が見られた患者は、併用群では118人だが、単独群では201人だった。

 治療後5年でも、併用群のほうが予後は良好で、Bolla氏によれば、併用群で増悪した患者は17.5%、それに対して単独群では30.7%だった。また臨床的な増悪については、治療後5年での無増悪割合が併用群は88.7%、単独群は80.8%であった。

 全体で152人が死亡し、うち25人は前立腺癌による死亡だった。副作用は主に排尿に関するものであり、併用群では5.9%、単独群は3.6%だった。性機能に関する問題は併用群のほうが多く、併用群27%、単独群19.4%だった。

 以上の結果から、Bolla氏は、「限局性前立腺癌を有し、再発および転移のリスクのある男性において、6カ月間のホルモン療法の放射線療法への追加で、増悪を伴わない生存期間が改善する」と述べ、「さらなる臨床研究によって、放射線技術を最適化し、新しいホルモン療法を見つけることが必要である」とした。

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