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2014/3/4

看護師の人員配置と学歴が外科手術を受けた患者の在院死を減らす可能性、欧州の大規模観察研究の結果

森下紀代美=医学ライター

 欧州の病院を対象として行われた大規模な後ろ向き観察研究(Registered Nurses Forecasting:RN4CAST)から、看護師が看護する患者の数が少なく、かつ学士号を取得した正看護師の割合が高い病院では、一般的な外科手術を受けた患者の術後の在院死が有意に減少することが示された。この成果はLancet誌の電子版2月26日号に掲載された。

 RN4CAST試験では、第7次欧州研究開発フレームワーク計画(European Union’s Seventh Framework Programme)、および米国立衛生研究所(NIH)の一部である米国立看護研究所(National Institute of Nursing Research:NINR)の支援のもと、欧州の病院における看護師の人員配置と教育に関連する患者の転帰について、最大かつ詳細な解析が行われた。患者の転帰については、英国やフィンランド、ベルギーなど欧州9カ国300施設の、50歳以上で一般的な外科手術を受けた患者42万2730人の退院記録から解析された。看護師については、同試験に参加した病院の看護師2万6516人に調査が行われた。

 その結果、看護師1人当たりの仕事量が患者1人分増えると、一般的な外科手術を受けた患者の入院から30日以内の死亡率が7%上昇することがわかった(オッズ=1.068、95%信頼区間:1.031-1.106)。一方、学士号を取得した看護師が10%増えるごとに、このような在院死は7%減少した(オッズ比0.929、95%信頼区間:0.886-0.973)。これらの解析結果から、看護師の60%が学士号を取得し、かつ1人の看護師が平均6人の患者を看護している病院では、看護師の30%が学士号を取得し、かつ1人の看護師が平均8人の患者を看護している病院と比べて、在院死が約30%減少すると考えられた。

 RN4CAST試験の知見は、看護師の人員削減は患者を危険に晒す可能性を強調するとともに、学士の教育を受ける看護師が増えれば在院死が減少する可能性を示唆するものである。論文の筆頭筆者である米University of Pennsylvania School of NursingのLinda H Aiken氏は、同試験について「欧州の多数の国における看護師の労働力を検討し、客観的な臨床転帰との関連を解析した初の試験。今回の知見は、病院の看護師の人員配置の改善と高い教育を在院死の減少と関連づけた米国の試験の結果を補完するもの」と位置付けている。

 患者の転帰を改善する知見から、米国では約25の州において、病院の看護師の人員配置が法律として制定、または提唱されている。さらに米医学研究所は、2020年までに米国の看護師の80%が学士号を取得することを推奨しており、病院側もこれを受けて学士号を取得した看護師の雇用を優先している。

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