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2014/2/19

癌化学療法に伴う倦怠感に対して開発したセルフマネジメント促進プログラムが有効【がん看護学会2014】

加藤勇治

 癌化学療法に伴う倦怠感に対し、セルフモニタリングと運動を中心とした促進プログラムを適用することで倦怠感、6分間歩行距離や全体的健康感が改善することが示された。2月8日から9日まで新潟市で開催された第28回日本がん看護学会学術集会で、聖隷クリストファー大学看護学部の樺澤三奈子氏が発表した。


 癌化学療法の有害事象の1つとして倦怠感があるが、この倦怠感に対するセルフマネジメントは国内では確立していない。そこで樺澤氏らは、まず術後補助化学療法を受ける肺癌患者を対象に、倦怠感のとらえ方、取り組み、支援ニーズを聞き取り、その結果をもとに倦怠感のセルフマネジメント促進プログラムを開発した。

 このセルフマネジメント促進プログラムは術後補助化学療法を受ける肺癌患者が体と心の状態に応じて運動を生活に組み込み、身体活動を増加させることで倦怠感を軽減することを目的としている。

 具体的には、セルフモニタリングとして倦怠感、息切れ、脈拍数のチェックと、運動として呼吸筋ストレッチ、低強度持続力トレーニング、大腿四頭筋筋力トレーニングを設定した。そしてプログラム用の教材として、倦怠感の性質や誘因、影響、運動の効果や継続のための工夫、運動を中止した方がよい状態などをまとめたパンフレット、ビデオを作成した。運動は、急激な負荷を避けるため、初級、中級、上級と3段階に分け、呼吸筋ストレッチ、持久トレーニング、筋力トレーニングについて頻度、時間、強度を示した。

 そして、このセルフモニタリングと運動を実施するにあたり、患者とのパートナーシップの形成(一緒に倦怠感に取り組む用意があることを伝える)、セルフマネジメントの知識とスキルの獲得支援(倦怠感について話し合い、正しく認識・評価できるよう促すなど)、自己効力感と肯定的な結果予測の形成支援(セルフマネジメントによる変化の認識の話し合い、具体的な方法の指導)、家族のサポート力の向上支援(倦怠感とその取り組みについて話し合い、目標を共有する、家族の同席を促して倦怠感の特徴や生活への影響を指導するなど)を設定した。

 がん診療連携拠点病院2施設で、一葉以下の肺切除術後に術後補助化学療法を受ける75歳未満の肺癌患者10人にこのプログラムを適用した。対照群として10人の非適用群を設定した。

 プログラムは術後補助化学療法開始から6週間にわたって行った。指導と電話での確認を2週間ごとにそれぞれ3回ずつ行っている。プログラム適用群と非適用群の間の患者背景に差はなく、適用群の平均年齢は65歳(非適用群62歳)、男性が8割以上で、職業ありが7〜8割、病気はI期が4人(非適用群7人)、II〜IIIA期が6人(非適用群3人)、PSが0だったのは2人(非適用群3人)、抗癌剤はプラチナ製剤+タキサン系薬剤が5人(非適用群4人)、代謝拮抗剤単独が5人(非適用群5人)だった。

 その結果、介入期間中のセルフモニタリングと運動の週平均目標達成率は90%以上だった。また運動実施時間または回数は介入とともに増加し、全介入が終了した6週間以降も運動が継続されていた。

 また、総合倦怠感、身体活動量、6分間歩行距離、全体的健康感、活力の各指標について、全介入終了時もしくは介入後1カ月の時点において有意な軽減または改善が認められた。

 樺澤氏は、「プログラムに対する患者の負担感はなく、有用性が高いプログラムとなった。今後はプログラム終了後のフォローアップ体制や実用化に向けた検討が必要だ」と語った。

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