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2014/2/7

症候性骨転移を有する去勢抵抗性前立腺癌に対するRa-223、長期の追跡でも新たな安全性の問題は認めず【ASCO-GU2014】

森下紀代美=医学ライター

 去勢抵抗性前立腺癌(CRPC)で症候性骨転移を有する患者に対し、アルファ線放射性医薬品のRa-223は有効かつ安全で、治療後1.5年までの間に新たな安全性の問題は認められなかったことが、フェーズ3のALSYMPCA試験の追跡結果から示された。1月30日から2月1日まで米サンフランシスコで開催されたGenitourinary Cancers Symposium(ASCO-GU2014)で、スウェーデンKarolinska University HospitalのSten Nilsson氏が発表した。

 すでにALSYMPCA試験では、Ra-233はプラセボとの比較において、全生存期間(OS)を3.6カ月延長し(ハザード比=0.70、p<0.001)、初回の症候性骨関連事象(SSE)が発現するまでの期間を遅らせ(ハザード比=0.66、p<0.001)、骨髄抑制の発現率は低く、忍容性も良好だったことが報告されている。

 今回は、安全性解析対象の最後の患者にRa-223の最終投与が行われてから1.5年後までの長期の安全性のデータが発表された。

 同試験の対象は、2個以上の症候性骨転移を有し、内臓転移は認めない進行CRPC患者で、ドセタキセルの投与例と非投与例の両方を含めた。Ra-223(50kBq/kg)を4週毎に計6回静脈内投与し、標準治療を行う群(Ra-223群)、またはプラセボの投与と標準治療を行う群(プラセボ群)に、患者を2:1にランダムに割り付けた。

 ITT解析対象の921人から、574人が3年間の追跡の対象となり、Ra-223群では614人中406人、プラセボ群では307人中168人だった。両群の患者背景はバランスがとれており、年齢中央値はそれぞれ71歳と70歳、ビスホスフォネート製剤の投与を受けているのは42%と44%、転移部位が6個以上は78%と82%、WHOラダーで癌性疼痛のインデックスが2以上だったのは53%と50%、PSA中央値は104μg/Lと113μg/Lだった。

 追跡期間では9回の受診(最初の半年は2カ月毎、1年目と2年目は4カ月毎)を予定し、試験責任医師が判断した治療に関連する有害事象のみを報告した。長期の安全性のデータでは、特異的な5疾患、すなわち急性骨髄性白血病(AML)、骨髄異形成症候群(MDS)、再生不良性貧血、原発性骨腫瘍、他臓器の原発腫瘍の発現も評価した。

 6回の投与を受けたのは、Ra-223群83%、プラセボ群71%だった。投与中止の主な理由は有害事象や医師の判断、患者の要望で、有害事象による中止はプラセボ群で多かった。

 Ra-223群では79%、プラセボ群では86%が追跡期間中に試験から脱落した。主な理由は死亡で、それぞれ65%と59%となり、その他は有害事象、患者の要望、医師の判断だった。追跡期間中央値は、Ra-223群10.4カ月、プラセボ群7.6カ月で、3年間の追跡を終了したのはそれぞれ16人と4人だった。

 安全性解析対象の901人では、571人が3年間の追跡の対象となり、Ra-223群は404人、プラセボ群は167人だった。Ra-223群の25人(6%)、プラセボ群の8人(5%)に、追跡期間中に治療に関連する有害事象が報告された。Ra-223群で最も多かったのは血液毒性だったが、骨髄抑制の発現率は低く、グレード3または4の貧血は5人(1%)、再生不良性貧血は1人(1%未満)、白血球減少は2人(1%未満)、好中球減少は2人(1%)だった。Ra-223群では、グレード3または4の病的骨折が1人、グレード5の多臓器不全と肺炎が各1人(1%未満)に発現した。プラセボ群ではいずれも発現しなかった。

 ただし、Ra-223群でAML、MDS、原発性骨腫瘍は報告されなかった。再生不良性貧血はRa-223群の1人で報告され、治療に関連すると考えられた。他臓器の原発腫瘍はRa-223群の2人、プラセボ群の3人に発生したが、試験治療薬とは関連しないと考えられた。

 Nilsson氏は、「今回の長期追跡の結果は、CRPCで骨転移を有する患者の治療として、Ra-223と他の治療薬の併用を評価する裏付けとなる」と結論した。

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