このページの本文へ

がんナビ

がんナビについて

がん患者さんとその家族のために、がんの治療や患者さんの日々の生活をナビゲートします。

がん種から情報を探す

  • 乳がん
  • 肝がん
  • 大腸がん
  • 腎がん
  • 胃がん
  • 肺がん
  • 食道がん
  • 前立腺がん
  • 子宮頸がん
  • 膵がん
  • 卵巣がん
  • その他のがん

News ニュース

ニュース一覧へ

新着一覧へ

ニュース

2014/2/3

転移のないハイリスクの前立腺癌で終生行う内分泌療法と放射線療法の併用で前立腺癌特異的死亡率が低下【ASCO-GU2014】

森下紀代美=医学ライター

 転移のない局所進行性またはハイリスクの前立腺癌に対し、終生(life-long)行う内分泌療法と放射線療法を併用すると、内分泌療法のみと比べて10年と15年の時点での前立腺癌特異的死亡率がそれぞれ10.7%と18.2%低下し、全死亡率も低下したことがわかった。この結果は、Scandinavian Prostate Cancer Group VIIによるフェーズ3のランダム化試験(SPCG VII)の最新の解析から明らかになったもの。1月30日から2月1日まで米サンフランシスコで開催されているGenitourinary Cancers Symposium(ASCO-GU2014)で、ノルウエーNational Resource Centre for Long-term Studies after Cancer Rikshospitalet Cancer Clinic MontebelloのSophie Dorothea Fossa氏が発表した。

 SPCG VII試験には、1996年2月から2002年12月までに、ノルウエー、スウエーデン、デンマークから、進行または組織学的に高悪性度の前立腺癌で、75歳以下、T3またはT1/2+WHO Grade 2/3、PSA≦70μg/L、N0(PSA>10の場合は閉鎖リンパ節郭清を行い、pN0とする)、PSが「良好」といった条件を満たす、875人が登録された。このうち872人が2つの治療群にランダムに割り付けられ、内分泌療法のみを受ける群(AA群)は439人、内分泌療法と放射線療法を受ける群(AA+RAD群)は436人となった。AA群とAA+RAD群の患者背景はバランスがとれており、平均年齢はともに66歳、T3の患者はそれぞれ79%と77%、PSAが20ng/mL以上の患者はそれぞれ40%と39%だった。

 治療として、全例にアンドロゲン遮断療法を3カ月間行い、LH-RFアゴニストのリュープロレリン3.75mgを1カ月に1回、3カ月間投与、または11.25mgを単回投与し、同時に抗アンドロゲン剤のフルタミド250mgを1日3回経口投与した。アンドロゲン遮断療法の終了後もフルタミド250mgを1日3回、進行または死亡まで継続投与し、AA+RAD群では放射線療法(70-74Gy)を併用した。

 主要評価項目はITT解析による前立腺癌特異的死亡率で、主要目的はAA+RAD群において前立腺癌特異的死亡率の10%以上の減少を示すことだった。

 同試験では、2009年に観察期間中央値7.6年の時点において、10年の時点での前立腺癌特異的死亡率がAA+RAD群で12%低下したことが示されている。

 今回Fossa氏らは、観察期間中央値11年の時点における最新の解析結果を発表した。

 前立腺癌による死亡は、AA群の439人中118人、AA+RAD群の436人中45人となった。10年と15年の時点における累積の前立腺癌特異的死亡率は、AA群ではそれぞれ18.9%と30.7%、AA+RAD群では8.3%と12.4%となった。AA+RAD群における絶対リスク減少率は、10年の時点で10.7%、15年の時点で18.2%となった(p=0.00004[15年時])。

 全死因による死亡は、AA群では210人、AA+RAD群では161人だった。10年と15年の時点における累積全死亡率は、AA群ではそれぞれ35.3%と56.7%、AA+RAD群では26.4%と43.4%だった。AA+RAD群における絶対リスク減少率は、10年の時点で8.9%、15年の時点で13.3%となった(p=0.0006[15年時])。

 生検による残存腫瘍の検討では、追跡期間中央値45カ月の時点で、AA群の66%、AA+RAD群の12%で残存腫瘍を認めた(p<0.0001)。また同試験では、副作用も受容可能な範囲のもので、内分泌療法と放射線療法の併用によるQOLへの影響はないと考えられる結果も示されている。

 Fossa氏は「この試験の対象では、内分泌療法と放射線療法の併用は標準的な治療選択肢の1つとなると考えられる。内分泌療法の最適な種類と期間、前立腺切除術と比較しての有効性については、ランダム化試験で判断されるべき」と話した。

この記事を友達に伝える印刷用ページ