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2011/12/27

でんぷん摂取量の増加が乳がんの再発リスクの上昇と関連

清野 仁輿=エディター・ライター

 でんぷんの摂取の増加が、乳がんの再発リスクの上昇に関係すると、米国のカリフォルニア大学サンディエゴ校のJennifer A. Emond氏らが、2011CTRC-AACRサンアントニオ乳がんシンポジウム(12月6〜10日)で発表した。

 食事要因、特に炭水化物の摂取は、体重増加およびインスリンレベルに影響し、乳がん腫瘍のインスリン様増殖因子受容体(IGF-IR)の活性化を促し予後に影響するとみられている。

 しかし「この結果は、炭水化物全体ではなく、その中のでんぷんの摂取が影響することを示している。でんぷんの摂取量が多い女性は乳がんの再発リスクが大きくなる傾向がある」とEmond氏は言う。

 炭水化物に含まれるでんぷんは、ブドウ糖が複数結合した天然高分子で、ブドウ糖とは異なる性質をもつ。根菜や種子に多く含まれ、主なでんぷん供給食物には、じゃがいもやトウモロコシ、小麦、米などがある。

 対象は、3088人の乳がん経験者の女性が登録する食事介入試験(WHEL)から抽出した2651人の女性で、乳がんの再発が平均7年間追跡されていた。全員が登録前の4年以内に乳がんの診断を受けていた。WHELは、炭水化物の摂取目標のない植物性食物ベースの食事介入試験だ。

 研究開始時と1年後に電話調査で24時間前までに摂取した食物を聞き取り、これに基づいてそれぞれの炭水化物とでんぷんの摂取量を算出し、これらの1年間の変化と乳がんの再発状態と比較した。

 研究開始時の炭水化物の摂取量は1日当たり平均233gだった。1年後の調査では、乳がんを再発した女性は炭水化物の摂摂取量が平均2.3g/日増加し、乳がんの再発がなかった女性は2.7g/日減少していた(P=0.188)。

 「炭水化物の中でもでんぷんが特に重要だった」とEmond氏は言う。炭水化物の摂取量変化の48%をでんぷんが占めており、乳がんを再発しなかった女性でより大きく減少していたのだ。1年間のでんぷんの摂取量の変化は、再発した女性の1日当たりマイナス4.1gに対して、再発なしの女性では1日あたりマイナス8.7gだった(P=0.015)。

 1年間のでんぷん摂取量の変化で4群に分けて調べると、7年間の追加の乳がんイベントは、最も減少した群の9.7%に対して、最も増加した群では14.2%と約1.5倍だった。

 でんぷん摂取量の変化は、この介入試験による食事変更と無関係で、食事の総合的な変化からも独立していた(p=0.326)。

 最初のでんぷん摂取量と閉経状態、病状、治療で調整後の分析で、デンプンの摂取が1日当たり5g増加する毎に、乳がんの再発リスクが3%増加することが分かった(95%信頼区間1.01-1.06、P=0.017)。腫瘍グレードで患者を階層化すると、この再発リスクの増加は低グレードの腫瘍の女性に限られることが分かった。

 Emond氏は、乳がんの女性におけるでんぷんの摂取制限を検討するには、さらなる研究が必要であるとしている。

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