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2011/11/8

バレット食道が食道腺がんになるリスクは従来推定より低い

罹患率は年間0.12%、ただし一般集団と比べたリスクは11.3倍

大西 淳子=医学ジャーナリスト

 バレット食道診断後に高度異形成が見付かった患者は178人いた。このうち、追跡開始から1年以内に見付かった高度異形成は72人(バレット食道患者全体の0.7%)、それ以降に見付かった高度異形成は106人(1.1%)だった。バレット食道診断から2年目以降の高度異形成罹患率は、1000人-年当たり1.9、同じ期間の食道腺がんまたは高度異形成の罹患率は1000人-年当たり2.6で、食道腺がんまたは高度異形成の標準化罹患比は21.1になった。

 バレット食道の診断を受けた内視鏡検査で、軽度異形成が同時に検出された患者は621人(5.6%)、検出されなかったのは1万407人だった。追跡2年目以降に食道腺がんと診断された66人の患者のうち、当初は軽度異形成ではなかった患者は52人(1万407人中の0.5%)、軽度異形成が見つかっていた患者は14人(621人中の2.3%)だった。食道腺がんの罹患率は、当初軽度異形成なし群が1000人-年当たり1.0、当初軽度異形成あり群が5.1となり、軽度異形成なし群と比較した軽度異形成あり群の相対リスクは4.8になった。

 高度異形成のリスクについても同様の結果が得られた。当初軽度異形成が認められた患者の罹患率は1000人-年当たり8.6、当初軽度異形成なし群は1.6で、相対リスクは4.7。同様に、当初軽度異形成あり群の食道腺がんまたは高度異形成の相対リスクは5.1になった。

 なお、追跡期間中のいずれかの時期に軽度異形成が認められた患者についても同様に分析したところ、1000人年-当たりの食道腺がん罹患率は5.5、高度異形成罹患率は11.2となり、当初から軽度異形成があった患者と同様かそれ以上にリスクが高いことが示された。

 バレット食道は食道腺がんの強力な危険因子ではあるが、診断から2年目以降の絶対リスクは0.12%で、これまで考えられていた0.5%より低かった。0.5%を根拠として、現在デンマークでは内視鏡経過観察が行われている。今回得られたデータは、異形成が見られないバレット食道患者を経過観察の対象とすることに強い疑問を投げかけた、と著者らは述べている。

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