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2011/5/24

有症状で診断された早期前立腺がんは手術に利益あり

ただし65歳未満に限る、無作為化試験SPCG-4の結果

大西 淳子=医学ジャーナリスト

 主に有症状で診断された早期の前立腺がん患者を、根治的前立腺切除術または注意深い観察に割り付け、12.8年(中央値)追跡した無作為化試験「SPCG-4(Scandinavian Prostate Cancer Group Study 4)」の結果が、New England Journal of Medicine誌2011年5月5日号に掲載された。著者であるスウェーデンUppsala大学病院のAnna Bill-Axelson氏らは、これらの患者においては、切除術が生存利益をもたらすことを明らかにした。切除による利益は、診断時に低リスクと判断された前立腺がん患者にも認められた。ただし、65歳以上の患者では有意にはならなかった。

 この試験に登録された患者は、ほとんどが触知できる腫瘍を有しており、早期ではあるが、症状が現れて診断に至った、または直腸がんなどを示唆する症状があって受けた検査で前立腺がんが見つかった人々だ(合わせると65%を超える)。PSA値の上昇をきっかけに診断に至った患者は5%にとどまる。したがって、この試験で得られた結果は、PSA値を指標とするスクリーニングで前立腺がんと診断された患者に当てはめることはできないと考えられる。

 著者らは、1989年10月から99年2月まで、スウェーデン、フィンランド、アイスランドの14施設で、新規に診断された75歳未満の前立腺がん患者のうち、腫瘍が局所にとどまり、高分化型または中分化型で、病期はステージT2まで、PSA値は50ng/mL未満、骨転移は認められない695人(平均年齢65歳)を登録。根治的前立腺切除術(347人)または観察(348人)に無作為に割り付けた。

 切除群のうち、脱落者などを除く294人で根治的切除が可能だった。一方、観察群の302人には治癒的な治療は行われなかった。切除群の患者に局所再発や転移の徴候が見られた場合には、ホルモン療法を行った。観察群に閉塞性の排尿障害が現れた場合には経尿道的手術により対応し、進行、骨転移などにはホルモン療法を適用した。

 PSA値の平均は切除群が13.5ng/mL、観察群が12.3ng/mLだった。99年にコア生検標本の全てについて再評価を行ってグリーソンスコアを判定。06年には切除標本を対象にグリーソンスコアと腫瘍の被膜外浸潤の有無を判定した。

 全員を09年12月まで追跡することができた。12.8年(中央値)の追跡で、全死因死亡は695人中367人だった。15年間の累積死亡率を推定すると、切除群46.1%、観察群52.7%となり、絶対差は6.6パーセンテージポイント(95%信頼区間-1.3から14.5)で、切除群の全死因死亡の相対リスクは0.75(0.61-0.92、P=0.007)、治療必要数(NNT)は15になった。

 前立腺がん死亡と判定されたのは、切除群の55人と観察群の81人。これを基に推定した15年時点の累積前立腺がん死亡率は14.6%と20.7%で、群間差は6.1パーセンテージポイント(0.2-12.0)、観察群と比較した切除群の前立腺がん死亡の相対リスクは0.62(0.44-0.87、P=0.01)になった。

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