このページの本文へ

がんナビ

がんナビについて

がん患者さんとその家族のために、がんの治療や患者さんの日々の生活をナビゲートします。

がん種から情報を探す

  • 乳がん
  • 肝がん
  • 大腸がん
  • 腎がん
  • 胃がん
  • 肺がん
  • 食道がん
  • 前立腺がん
  • 子宮頸がん
  • 膵がん
  • 卵巣がん
  • その他のがん

News ニュース

ニュース一覧へ

新着一覧へ

ニュース

2011/3/8

乳癌歴のある女性のマンモスクリーニングの感度は低め

大西 淳子=医学ジャーナリスト

 乳癌歴のある女性においても、マンモグラフィーを用いたスクリーニングが乳癌の早期発見に役立つこと、ただし、乳癌歴のない女性に比べると検出感度は低く、スクリーニングとスクリーニングの間に発生する中間期癌も多いことが、大規模研究で明らかになった。オーストラリアSydney大学のNehmat Houssami氏らが、Journal of the American Medical Association(JAMA)誌2011年2月23日号に報告した。

 再発または新たな乳癌のリスクを負っている乳癌サバイバーにも、マンモグラフィーを用いたスクリーニングが推奨されている。だが、これまで、乳癌歴のある女性とない女性とで、マンモグラフィースクリーニングの有効性を比較した質の高い研究はほとんどなかった。

 そこで著者らは、早期乳癌(非浸潤性乳管癌またはステージ1〜2の乳癌、うち両側乳房切除を受けた女性は除く)歴のある女性が、1996〜2007年に受けたマンモグラフィースクリーニングの精度を、乳癌歴のない女性が受けたスクリーニングの精度と比較する大規模研究を行った。

 乳癌歴のある女性に対するマンモグラフィースクリーニングの定義は、(1)初回乳癌の診断から6カ月以上たってから行われ、(2)2回の検査の間隔が10カ月以上で、(3)患者自身が異常を訴えて行われた検査ではなく、(4)両側の乳房が検査対象になっていた場合、とした。条件を満たしたのは、1万9078人、計5万8870回のスクリーニングだった。

 次に、乳癌歴のない女性が受けたマンモグラフィースクリーニングの中から、上記のスクリーニングと一定の条件(マンモグラフィーにおける乳腺濃度、年齢、検査を受けた年度、マンモグラフィーに関する情報と医療記録が登録されている施設)が適合したスクリーニング(同じく5万8870回)を参照群に設定した。参照群の女性の数は5万5315人となった。

 マンモグラフィーを受ける間隔は、乳癌歴あり群の方が短かった。前回の検査から9〜14カ月で再び検査を受けていた女性の割合は、乳癌歴あり群が82.7%、なし群が43.1%だった。

 スクリーニングから1年以内に、乳癌歴あり群の655人が乳癌と診断された。うち499人が浸潤性、156人は非浸潤性乳管癌だった。乳癌歴なし群では、乳癌診断は342人で、浸潤性が285人、非浸潤性乳管癌は57人だった。

 これらの患者のうち、スクリーニングによって乳癌が発見されたのは、乳癌歴あり群の402人と乳癌歴なし群の261人だった。癌検出率は、スクリーニング1000件当たり6.8と4.4だった。

 マンモグラフィースクリーニングの乳癌検出感度は、乳癌歴なし群が76.5%だったのに対し、乳癌歴あり群では65.4%と低かった。特異度はそれぞれ99.0%と98.3%で、乳癌歴あり群で低めだった(いずれも統計学的な有意差あり)。

 浸潤性乳癌に限ってみると、スクリーニングによる検出感度は、やはり乳癌歴のない女性(75.7%)に比べて乳癌歴のある女性(61.1%)で低かった。一方、非浸潤性乳癌の検出感度は、両群間に有意差はなかった。

 スクリーニングとスクリーニングの間に癌と診断された中間期癌の罹患は、乳癌歴あり群213人と乳癌歴なし群80人。罹患率をスクリーニング1000件当たりで計算すると、3.6と1.4となり、乳癌歴あり群で高かった。

 乳癌歴の有無にかかわらず、スクリーニングで発見された癌も中間期癌も、大部分が早期の乳癌だった。

 著者らは、「スクリーニングの有効性は、乳癌患者が受けた治療の種類や再発リスク、新たな乳癌の発症リスクなどによって異なることから、個々の患者の背景に合わせた細やかなスクリーニング戦略を患者ごとに設定する必要があるのではないか」と述べている。

この記事を友達に伝える印刷用ページ