このページの本文へ

がんナビ

がんナビについて

がん患者さんとその家族のために、がんの治療や患者さんの日々の生活をナビゲートします。

がん種から情報を探す

  • 乳がん
  • 肝がん
  • 大腸がん
  • 腎がん
  • 胃がん
  • 肺がん
  • 食道がん
  • 前立腺がん
  • 子宮頸がん
  • 膵がん
  • 卵巣がん
  • その他のがん

News ニュース

ニュース一覧へ

新着一覧へ

ニュース

2011/2/18

一部の早期乳癌ではセンチネルリンパ節転移陽性でもリンパ節郭清不要

大西 淳子=医学ジャーナリスト

 乳癌患者に対する腋窩リンパ節郭清はQOLの低下を招く。米Saint John's Health CenterのArmando E. Giuliano氏らは無作為化試験を行い、病期がT1〜T2で、乳房温存療法が適用され、その後に全乳房照射などの標準治療が予定されている女性については、センチネルリンパ節生検で転移陽性リンパ節が1〜2個認められた場合でも腋窩リンパ節郭清は不要で、郭清の実施の有無で5年生存率に差はないことを示した。論文は、JAMA誌2011年2月9日号に掲載された。

 早期乳癌患者に対するセンチネルリンパ節生検は、リンパ節への転移の有無を正確に判断するために有用だ。しかし、結果に基づいて腋窩リンパ節郭清を行うことが生存に及ぼす影響は明らかではない。郭清は感染やリンパ浮腫を引き起こす可能性があり、それらは患者のQOL低下につながる。近年、癌の生物学的理解が進み、腋窩リンパ節郭清の利益が大きい患者を選出するための様々なアルゴリズムが作成された。並行して欧米では、センチネルリンパ節転移陽性患者に対するリンパ節郭清の適用が減少している。

 郭清実施の有無が患者の生存に及ぼす影響を明らかにしようと考えた著者らは、早期乳癌に対する標準的な治療、すなわち、乳腺腫瘍摘出術、全乳房接線照射、術後補助療法を受ける予定の患者で、センチネルリンパ節が転移陽性だった女性を対象として、腋窩リンパ節の完全郭清を行った場合とリンパ節郭清を行わなかった場合の生存率を調べるフェーズ3非劣性試験を実施した。

 99年5月から04年12月まで、115施設で患者登録を実施した。T1〜T2の浸潤性乳癌(腫瘍の直径は5cm以下)で、触知可能なリンパ節腫脹はなく、センチネルリンパ節生検において転移陽性リンパ節が1〜2個(凍結切片を用いた組織診断、捺印標本を対象とする細胞診、併給標本のヘマトキシリン-エオジン染色によって判定)を組み込み条件とした。術前に化学療法またはホルモン療法を受けた患者などは除外した。

 登録患者を、無作為に、腋窩リンパ節郭清(445人)または郭清なし(446人)に割り付けた。すべての患者に乳腺腫瘍摘出術と全乳房接線照射を実施し、化学療法の適用については担当医の判断に任せるとした。

 主要アウトカム評価指標は全生存率に設定。非劣性のマージンはハザード比の両側90%信頼区間の上限が1.3とした。

 当初のデザインでは、目標とする登録患者数は1900人で、500人が死亡した時点で分析する計画だった。だが、死亡率は予想を大きく下回った。そのまま続行すると試験期間は20年を超えると推定したデータ安全性監視委員会から早期中止が勧告され、これに従って試験は中止された。それまでに登録された患者は891人だった。

 このうち、割り付けられた治療を受けたのは郭清群420人、郭清なし群436人で、術後補助療法(化学療法、ホルモン療法のいずれかまたは両方)は、それぞれ403人(96.0%)と郭清なし群423人(97.0%)に行われていた。

  • 1
  • 2
この記事を友達に伝える印刷用ページ