このページの本文へ

がんナビ

がんナビについて

がん患者さんとその家族のために、がんの治療や患者さんの日々の生活をナビゲートします。

がん種から情報を探す

  • 乳がん
  • 肝がん
  • 大腸がん
  • 腎がん
  • 胃がん
  • 肺がん
  • 食道がん
  • 前立腺がん
  • 子宮頸がん
  • 膵がん
  • 卵巣がん
  • その他のがん

News ニュース

ニュース一覧へ

新着一覧へ

ニュース

2011/2/8

エキセメスタンの継続投与とタモキシフェンからの切り替え投与、有効性と安全性に差なし

大西 淳子=医学ジャーナリスト

 ホルモン受容体陽性の早期乳がんに罹患している閉経後の女性において、術後から第3世代のアロマターゼ阻害薬エキセメスタンを5年間投与する補助療法と、当初はタモキシフェンを使用して2.5〜3年後にエキセメスタンに切り替える補助療法の生存率を比べた臨床試験(TEAM試験)の結果が、英Lancet誌2011年1月22日号に掲載された。両群において、5年間の無病生存率と全生存率に有意差(統計学的に意味がある差)は見られなかった。

 既に、この試験の2.75年時点の中間分析では、ホルモン受容体陽性乳がんの閉経女性に、術後補助療法としエキセメスタンを用いた場合とタモキシフェンを投与した場合の無病生存率は、エキセメスタンの方が高い傾向が示されている(関連記事1)。また、別の試験では、タモキシフェン2〜3年投与後にアロマターゼ阻害薬に切り替えると、タモキシフェンを使用し続けた場合に比べ無病生存率が有意に高くなることが示されている(関連記事2)。

 今回、著者であるオランダLeiden大学のCornelis JH van de Velde氏らは、エキセメスタンを投与し続けた患者と、タモキシフェンからエキセメスタンに切り替えた患者の長期的な経過を分析した。

 このTEAM試験は、日本も含む9カ国の566病院で行われた。ホルモン受容体陽性乳がんで、転移はなく、治癒を目的とする切除術を受けた閉経女性9779人(年齢の中央値は64歳)を、エキセメスタン(25mg/日)またはタモキシフェン(20mg/日)に割り付け、2.5〜3.0年を経過した時点で、タモキシフェン群の患者全員をエキセメスタンに切り替えて、両群ともに計5年間投与した、

 分析対象になったのは、エキセメスタンのみを投与された4898人とタモキシフェンからエキセメスタンに切り替えられた4868人。

 この結果、推定された5年無病生存率は、エキセメスタンのみ群が86%、切り替え群が85%で、両者に有意な差はなかった。

 5年全生存率も、両群ともに91%で、やはり有意差は認められなかった。

 安全性分析では、切り替え群に婦人科系の症状(分泌物、出血など)が多く見られた。子宮内膜の異常や静脈血栓症の発生率にも有意な差が認められた。

 逆に、エキセメスタン群に有意に多かったのは、筋骨格系の有害事象、高血圧、高脂血症などだった。

 エキセメスタンのみを投与し続ける方法と、タモキシフェン投与後にエキセメスタンに切り替える方法は、いずれも、閉経後のホルモン受容体陽性早期乳がん患者に対する治療の選択肢になると考えられた。「この試験や同様の研究で得られたデータを詳細に分析して、どの治療を選択すればその患者の利益が最大になるか、言い換えれば、それぞれの患者に最も有効で安全な治療を選択する方法を見いだす必要がある」と著者らは述べている。

この記事を友達に伝える印刷用ページ