このページの本文へ

がんナビ

がんナビについて

がん患者さんとその家族のために、がんの治療や患者さんの日々の生活をナビゲートします。

がん種から情報を探す

  • 乳がん
  • 肝がん
  • 大腸がん
  • 腎がん
  • 胃がん
  • 肺がん
  • 食道がん
  • 前立腺がん
  • 子宮頸がん
  • 膵がん
  • 卵巣がん
  • その他のがん

News ニュース

ニュース一覧へ

新着一覧へ

ニュース

2011/1/26

イレッサ訴訟、学会や医療機関が和解勧告に懸念

アストラゼネカは和解拒否を発表

久保田文=日経メディカル

 イレッサ訴訟の和解勧告の回答期限である1月28日を前に、関係学会や医療機関が相次いで和解勧告に懸念を表明している。1月24日には、ゲフィチニブ(商品名:イレッサ)の輸入販売元であるアストラゼネカが和解を拒否すると発表、残る政府の決断に注目が集まっている。

 日本臨床腫瘍学会は1月24日、「肺がん治療薬イレッサの訴訟にかかる和解勧告に対する見解」を公表。「承認前に得られる情報には限りがあり、承認後に行われた医療行為の結果について、承認時の医学的・科学的判断がそのまま常に当てはまるわけではない」と主張した。

 日本肺癌学会も同日、見解を発表し、ゲフィチニブの効果や副作用については、承認後に多くの患者に使用された結果、明らかになったものであり、「重篤な間質性肺炎発生の可能性を承認前や、承認後ごく早期に予見することは極めて困難であったと思われる」との見方を示した上で、承認後に蓄積された知見に基づいて、承認前や承認直後の国や製薬企業の判断や対応に責任を問うことについて、「極めて慎重であるべき」などとした。

緊急会見で「イレッサ訴訟は過去の薬害などとは異なる」と語る国立がん研究センター理事長の嘉山孝正氏。

 このほか、国立がん研究センターも1月24日に緊急会見を開いて同様の見解を示した。同センター理事長の嘉山孝正氏は、「イレッサ訴訟は過去の薬害などとは異なる。間質性肺炎はゲフィチニブの副作用であり、その副作用について誰かの責任を問うと、医療そのものが成り立たなくなる。また、和解勧告に応じることは、国や製薬企業の違法性を認めることであり、今後の薬事行政の萎縮をもたらす」などと訴えた。その上で、抗がん剤が現在、医薬品副作用被害救済制度の対象外となっていることに触れ、「不幸にも抗がん剤の副作用で死亡した患者などについては救済制度などで補償すべきであり、そのための国民的な議論を行うべきだ」と話した。

 アストラゼネカは和解を拒否することを決め、1月24日に大阪地裁と東京地裁に文書で回答。同社は、発売時の添付文書の「重大な副作用」欄に「間質性肺炎」を記載するなど適切に注意喚起を行ってきたほか、発売後も早期に緊急安全性情報を発出したとの見解を表明した。

 現時点で政府は、和解勧告への態度を明らかにしていない。ただ、政府内にも「抗がん剤の承認、安全性のあり方や医薬行政の根本にかかわる」(厚生労働大臣の細川律夫氏)との声は少なくなく、慎重に検討が進められている。

  • 1
  • 2
この記事を友達に伝える印刷用ページ