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2010/12/28

ゾレドロン酸が多発性骨髄腫患者の生存期間を延長

大西 淳子=医学ジャーナリスト

 ビスホスホネート製剤のゾレドロン酸ゾレドロネート)が、多発性骨髄腫患者の全生存期間と無増悪生存期間を有意に延長することが明らかになった。英Royal Marsden NHS Foundation TrustのGareth J. Morgan氏らが新規に診断された多発性骨髄腫患者を対象に行った臨床試験の結果で、論文は、Lancet誌2010年12月11日号に掲載された。

 ビスホスホネート製剤は、癌が骨に転移した患者の骨イベントを抑制する。このうちゾレドロン酸については、これまでに行われた前臨床試験と小規模な臨床試験において、抗腫瘍活性があることを示唆するデータが得られていた。そこで著者らは、多発性骨髄腫患者の臨床転帰にビスホスホネートが影響するどうかを調べるための無作為化試験を実施した。ゾレドロン酸の対照薬には、やはりビスホスホネート製剤だが窒素を含まないクロドロン酸(クロドロネート、国内未承認)を選んだ。

 18歳以上で初めて多発性骨髄腫と診断された症候性の患者1970人を登録。無作為に、ゾレドロン酸4mgを3〜4週間に1回静注、またはクロドロン酸1600mgを毎日経口投与のいずれかに割り付け、強化導入化学療法または通常の導入化学療法と共に投与した。強化導入化学療法にはCVAD(シクロホスファミド、ビンクリスチン、ドキソルビシン、デキサメタゾン)またはCTD(シクロホスファミド、サリドマイド、デキサメタゾン)を、導入化学療法にはMP(メルファラン、プレドニゾロン)または低用量のCTDを用いた。

 1960人(ゾレドロン酸群981人、クロドロン酸群979人)が分析対象になった。ビスホスホネート製剤の投与期間の中央値は350日、追跡期間の中央値は3.7年だった。

 ゾレドロン酸群の全生存期間は50.0カ月、クロドロン酸群は44.5カ月で、差は5.5カ月とゾレドロン酸群が有意に長かった。無増悪生存期間は19.5カ月と17.5カ月で、差は2.0カ月だった。

 これらの生存期間延長効果は、骨イベント抑制効果とは独立していることが統計学的分析により確かめられた。

 完全奏効/非常に良好な部分奏効/部分奏効を合わせた全奏効率には、ビスホスホネート製剤の違いによる有意な差は認められなかった。強化化学療法を受けたゾレドロン酸群の全奏効率は78%、クロドロン酸群では76%。通常化学療法を受けたゾレドロン酸群は50%、クロドロン酸群は46%。どちらのビスホスホネート製剤の投与を受けていても、全奏効率は強化療法群の方が高かった。

 ビスホスホネート製剤の忍容性に問題はなかったが、顎骨壊死の確定例はゾレドロン酸群に多かった(4%対1%未満)。

 著者らは、「新規診断の多発性骨髄腫患者に対する速やかなゾレドロン酸投与の必要性が裏付けられた」と述べている。

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