もっと知る腎がん

第8回市民公開講座より

腎がんと診断されたら〜よく理解し、最適な治療を選択するために〜Vol.2

【閉会のあいさつ】
木村剛氏(日本医科大学泌尿器科 准教授・腎癌研究会世話人代表)


 会のおわりに、腎癌研究会世話人代表の木村剛氏(日本医科大学泌尿器科准教授)が挨拶した。

―腎がんと診断されたら、重要なポイントが3つあります。

 一点目は、腎がんと診断されたら、動揺することなく、冷静に受け入れるようにするということです。

 二点目は、信頼できる病院の信頼できる先生に必ずご相談されることです。皆さんは、腎がんにかかられたらインターネットを中心にいろいろ調べられると思います。しかし、必ずしも正しいことが載っているわけではありません。効果のないかつ高額な治療法をあたかも有効のように誇大広告している場合もあります。そのため、現在の病状とその後の方針を正しく理解するにはまずは信頼できる先生に相談されることが大切です。

 三点目は、腎がんの手術や薬物療法は年々進歩しているということです。腎がんの手術では、以前は腎臓をまるごとすべて摘除していましたが、現在では小さな腎がんにおきましては、腎がんを含めた腎臓の一部だけを切除する腎部分切除術が積極的に行われるようになっています。さらに、腹腔鏡手術の発展形であるロボット支援手術も、現在は前立腺がんに対して行われていますが、腎がんの腎部分切除術でもそのうちに保険適用になると考えられます。今までの手術法では非常に難しかった部位にある腎がんも、小さな傷で安全に切除できる日が間近になっています。

 薬物療法では、免疫療法の次に分子標的薬が新しく出てきました。さらに今後、新たな免疫療法が待っています。この免疫療法も非常に有望な治療法で、再来年位には保険適用になることが期待されています。転移がある方でも、現在使用可能な薬で次から次へいろいろな薬を使う逐次療法でがんばっていただければ、新しい薬がとても良く効く可能性があります。希望を捨てないで頑張っていきましょう。

 免疫は、笑顔の時に高まります。できるだけ日常生活で笑顔を取り入れる、笑って過ごせるように心がけることが大切だと思います。

腎癌研究会第8回市民公開講座の登壇者。
前列左から、腎癌研究会世話人代表で日本医科大学泌尿器科准教授の木村剛氏、国保小見川総合病院泌尿器科/スカイビル腎泌尿器科クリニックの大西哲郎氏、腎癌研究会会長で浜松医科大学泌尿器科教授の大園誠一郎氏、市民公開講座で「コニタンの闘病日記─すべての人々への感謝のこころを─」と題して講演を行った俳優でタレントの「コニタン」こと小西博之さん、第8回市民公開講座実行委員長の岡山医療センター副院長で津島知靖氏、東京女子医科大学附属青山病院泌尿器科部長の前田佳子氏。
後列左から、岡山大学泌尿器科講師の江原伸氏、徳島大学泌尿器科准教授の高橋正幸氏、川崎医科大学泌尿器科准教授の宮地禎幸氏、京都府立医科大学泌尿器科講師の本郷文弥氏、鳥取大学泌尿器科准教授の瀬島健裕氏。

※Vol.1の記事はこちらから
腎がんと診断されたら〜よく理解し、最適な治療を選択するために〜Vol.1