もっと知る腎がん

腎癌研究会第5回市民公開講座より

もっと腎がんのことを知って欲しい

神奈川県立がんセンター泌尿器科医長の岸田健氏

●どのような手術がありますか?
―メリットとデメリットを踏まえて術式の選択を―
岸田 健氏(神奈川県立がんセンター 泌尿器科 医長)


 腎がん治療では、がんが比較的小さく、腎臓の端にある場合は、がんのある部分だけを切除し、そのほかの腎臓を残す腎温存手術(部分切除)を行う(図6)。一方、腫瘍が比較的大きい場合は、腎臓だけでなく、副腎やまわりの脂肪織を一塊として除去する根治的腎摘除術(全摘)を選択する。




●図6 腎温存手術(部分切除)と根治的腎切除術(全摘)の模式図

 これらの手術を行う際の方法には2種類あり、腹部を大きく切開する術式(開放手術)と、腹部を小さく切り、そこから内視鏡を挿入して実施する術式(鏡視下手術)がある。全摘、部分切除いずれにおいても、どちらの術式も選択可能だ。開放手術のメリットは、大きい腫瘍でもしっかりと摘出できる点だ。これに対し、鏡視下手術は、手術による傷を小さくすることができ、術後の回復が早いのが特徴だ。腎がんがそのほかの臓器に転移していなければ、5〜9割の患者が手術で完治する。

 岸田氏は、全ての治療には必ずメリットとデメリットがあるため、両方を踏まえた上で治療方法を選択することが重要であると語った。

 また、どの手術方法を選択しても治療効果はほとんど同じだが、傷の大きさや術後の回復期間、術後腎機能などに違いが見られると説明。「術式は患者の病状、年齢、希望などを踏まえて治療法を選択することが必要になる。医師とよく相談し、(メリットとデメリットの)バランスの良い治療法を選択するように」とアドバイスした。