もっと知る腎がん

根治的腎摘除術

根治的腎摘除術

 開腹手術による根治的腎摘除術は、腎臓に到達する方法により経腹膜的到達法、経胸腹的到達法、経腰的到達法の3つの方法があります。

 経腹膜的到達法は最も標準的な手術法です。経胸腹的到達法は、腎上極に位置する大きながんの場合などに行われます。経腰的到達法は、手術時間が短くて済むので高齢者や、消化器系の手術を受けて腸管などの癒着が激しい場合などに適応となります。

 術中合併症には輸血を必要とするような出血のほか、十二指腸や肝臓、膵臓などの臓器の損傷があります。術後合併症には感染症、肺塞栓症、腸閉塞などがあります。

 腎臓は、腹膜に包まれた消化管よりも背側に位置しています。開腹後、一度腹膜を開けて腹腔内に入り、さらに背側の腹膜を切開して腎臓に到達する方法を経腹膜的到達法といいます。

 手術は仰向け(仰臥位)で行われます。筋肉を切断することのない正中切開を行うのが一般的ですが、状況によっては横切開やフラップ状切開なども行われます(図)。

 まずは腎動脈および腎静脈を結紮し、切断します。腎血管の処理が終わったら、腎筋膜(Gerota筋膜)に包まれた腎とそのまわりの脂肪組織を腎筋膜の外側で剥離し、尿管を切断して腎を摘出します。

 体位は側臥位で、上半身は60°、骨盤部は30〜45°になるように屈曲するベッドの上に体を固定させます(図)。体は腰部を折り曲げて腹部を伸ばした状態になります。

 第9肋骨上から横隔膜にかけて斜切開を加えます。肋骨の切除後、胸膜の切開、横隔膜の切開などを行い、腎を摘出します。

 側臥位で、腰部を持ち上げるような体位をとります。11肋骨または12肋骨から、腹部にかけて斜切開を加えます(図)。肋間動静脈や胸膜などを損傷しないように注意しながら、肋骨先端部を5cmほど切り落とします。その後、経腹膜的到達法と同様に、腎動静脈の処理、腎周囲の剥離、尿管の切断などを行い、腎を摘出します。

(2012年2月1日更新)